記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/13
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
髄膜炎はおおまかに「細菌性髄膜炎」と「無菌性髄膜炎」の2種類に分けられ、それぞれで治療法や使用される薬は異なります。以降では、それぞれの髄膜炎の治療法について詳しく解説します。
細菌性髄膜炎の原因菌は、インフルエンザ菌や肺炎球菌、緑膿菌などさまざまですが、いずれも抗生物質による治療が行われます。ただ、中には抗生物質に耐性のある原因菌も存在するため、薬への感受性を見ながら適切な薬を選択していきます。
また、抗生物質と併せてステロイドホルモン剤を使用することもあります。
なお、細菌性髄膜炎の治療で用いられる抗生物質には、以下の種類があります。
まれながら結核菌による髄膜炎を起こすことがあります。結核性髄膜炎の場合は、下記の抗結核薬による長期間の内服治療が行われます。
同じく稀ではありますが、真菌性髄膜炎の場合は、真菌の種類に応じて下記の薬が処方されます。
無菌性髄膜炎のうち、ウイルス性髄膜炎の場合は、抗ウイルス薬による治療が行われます。ヘルペスウイルス、エンテロウイルス、ムンプスウイルスなど原因ウイルスによって、用いられる薬は異なります。
また、ウイルス性髄膜炎で頭痛や嘔吐などの症状がひどい場合は、鎮痛薬や解熱剤などの薬が適宜処方されます。無菌性髄膜炎の場合は、こうした対症療法や水分補給などで体力を回復させながら自然治癒を待つ方法が一般的です。
細菌性髄膜炎の場合は抗生物質が有効ですが、無菌性髄膜炎の場合は抗生物質が効かないといったように、髄膜炎の種類によって有効な治療法は異なります。また、原因菌やウイルスによって適した薬は違ってくるので、まずはそういった原因を正確に把握することが治療のカギとなります。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。