記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/19 記事改定日: 2019/1/9
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
心不全の疑いがある場合、どのような検査をするのでしょうか?また、どのような治療を行うのでしょうか?心不全の検査方法や治療法について解説していきます。
心不全の検査では、下記のような検査が行われます。
心不全の程度や原因を調べるには様々な検査が必要となります。検査にはX線(レントゲン)検査や心臓超音波検査などのように外来で簡便に行うことができるものもありますが、カテーテル検査では入院が必要になるのが一般的です。
カテーテル検査は、脚の付け根や手首などの太い血管にカテーテルを挿入して行う検査です。カテーテル検査では挿入部の血腫や血栓症などのリスクがあり、造影剤を使用するためアレルギーや腎機能障害を生じることもあります。このため、検査後はそれらの合併症が生じていないか慎重に経過観察する必要があります。
多くは一泊入院での検査になりますが、医療機関によって基準が異なるため検査を受ける前に必要な日数や費用について調べておくと安心です。
心不全は、長期間かけて少しずつ症状が進行していくため、心不全治療ではこの進行を抑制する治療が行われます。治療は主に、予後の改善や日常生活を送りやすくすることを目的として行われます。
心不全の原因となっている疾患を改善させるため、手術やカテーテル治療が行われる場合があります。
冠動脈の狭窄部分が原因となり、心筋の収縮力に影響を及ぼしている場合は、カテーテルを使用した経皮的冠動脈形成術や冠動脈バイパス手術など行い、冠動脈の血流の再建をします。
心臓の弁の障害が原因となり、心不全を起こしている場合は、弁の修復手術または人工弁に取り替える手術を行います。
洞不全症候群や房室ブロックなどの徐脈性不整脈が原因となり、心不全を起こしている場合は、ペースメーカー植え込み術が行われます。
通常、心臓は電気信号が規則正しく伝達することにより収縮しますが、心筋梗塞や心筋症などにより心臓に障害が発生すると、電気信号の伝達の順番にずれが生じます。そうなると、心臓の中隔と自由壁(右室に接しない左室自体の壁)に伝わる電気のタイミングが大きくずれ、心室も同じようにずれた動きをします。これを心室同期障害といいます。
心臓再同期療法(CRT)とは、この心室同期障害による心臓の収縮力を改善するための治療法です。左室自由壁と右室心尖部の2箇所に置いた電極に電気信号を送り、心室を刺激することで、電気信号のタイミングを合わせ、心臓の収縮力を改善することができます。
心不全に伴う、心室頻拍・心室細動などの重症不整脈の合併症がある場合は、不整脈を改善するために徐細動機の植え込み手術を行うことがあります。
また、最近の新たな治療法として、心臓再同期療法(CRT)に植え込み型徐細動機(ICD)を組み合わせたCRT-Dと呼ばれる治療が行われることがあります。
心電図検査や血液検査、心エコー検査など、心電図の検査にはさまざまなものがあります。検査の結果、心不全と診断された場合は、症状の進行を抑える目的で治療が行われますが、治療方法は原因や合併症の有無などによって異なります。医師の指示に従いながら、治療を進めていくことが大切です。
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