記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/23
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
キュッとお腹が痛くなったり、胸やけで気持ち悪くなったり、消化器系や胃の不調で悩んでいませんか?
簡単で効果的に予防・解消したいなら、生活習慣を変えるのが一番です!
ストレスや心配事があるとうまく食べ物を消化できなくなり、胃の不調につながることがあります。消化が遅くなってガスが溜まったり、痛みを感じたり便秘になったりする人もいれば、消化が早くなって下痢になったり頻尿になったりする人もいます。食欲を完全に失うケースもあります。
さらに、ストレスは胃潰瘍や過敏性腸症候群のような消化器症状を悪化させる可能性もあります。ストレスを溜めないように心がけてください。
もしストレスがあるなら、ひとつの解決策として「食べない」方法があります。
なお、食事中はリラックスした気分でいるように心がけましょう。怒ると食欲が失せるので、食事中に口論するようなことも避けてください。
喫煙は食道の下部を制御する筋肉を弱め、胃酸が食道を逆流する「逆流性食道炎」の原因となることがあります。逆流性食道炎になると胸やけになり、胃潰瘍や腸の炎症を引き起こしたり悪化したりします。
また、喫煙は胃がんの重要な危険因子でもあります。喫煙者の人は禁煙しましょう。
「移動しながら食べる」「会議の合間に食べる」「夜はテレビの前で寝転がりながらコンビニ弁当を食べる」――時間の節約にはなりますが、このような食事は消化器系を乱す可能性があるのでやめてください。
食事の際には、以下の基本的なことを守ってください。
・急いで食べない
時間をかけてゆっくり食べてください。噛んでいる間は箸を置き、一口ずつよく噛んでください。
・食べすぎない
少なめに取り分けるか、3回しっかり食事をとる代わりに4、5回少なめに食事をとるようにしてみてください。
・規則正しい食事を心がけ、食事を抜いたりしない
・寝る直前に大量の食事をしない
一日の最後の食事は、少なくとも寝る2〜3時間前にとるようにしてください。
・しっかり水分をとる
太りすぎだとお腹の脂肪が胃を圧迫し、気持ち悪さや胸やけなどの消化器症状を引き起こす可能性があります。症状を緩和するためには定期的に体重をはかり、ダイエットするようにしましょう。
ほどほどの飲酒では消化器系が傷つくことはありませんが、飲みすぎ(※)は胃酸を増加させ胸やけを引き起こし、ほかの消化器系疾患を悪化させる可能性があります。
※1日当たり、ビール中びん(500ml/アルコール度数が5度)を男性は8本以上、女性は6本以上飲酒した場合は飲みすぎです。
規則正しい食事、減量、禁煙、ストレス解消――非常によく言われる健康法ですが、胃や消化器の症状を和らげるためにも大切なことです。
食生活はもちろん、心理的な影響がダイレクトに出やすいのもお腹なので、できる範囲から生活習慣を改善していってくださいね!