記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/15 記事改定日: 2019/7/24
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
二日酔いで頭がガンガン痛むときは、頭痛薬に頼りたくなってしまうもの。ただ、お酒と薬の併用は基本的に危険性が高いため、服薬を迷う方も多いことでしょう。ではやはり、二日酔いのとき、頭痛薬を飲んではいけないのでしょうか?服薬時の注意点やおすすめの薬について解説します。
二日酔いによる頭痛は、体内でアルコールが分解されるときに発生する「アセトアルデヒド」という有害物質が原因と考えられています。また、アルコール自体の血管を拡張させる作用も、片頭痛を誘発する原因といわれています。
こういった二日酔いの頭痛は頭痛薬で緩和できることがありますが、頭痛薬の種類によってはお酒との相互作用が悪く、肝機能障害、意識障害を引き起こすものもあるため注意が必要です(アセトアミノフェンを含む鎮痛薬が該当します)。
また、アルコールが体内に残存しているうちは、頭痛薬の服用は控えた方がいいでしょう。これは、体内でアルコールを分解する酵素と薬を分解する酵素が同じため、同時に摂取してしまうと双方とも分解が不十分になり、酔いが激しくなったり、薬が効き過ぎてしまったりする恐れがあるからです。
アルコールの分解・排泄のスピードには個人差がありますが、ビール500mlほどのアルコールは通常2~3時間で分解されると考えられていますので、目安としましょう。
しかし、二日酔いが長く続くときは、体内のアルコールがまだ分解されていない可能性がありますので服用は控えましょう。また、二日酔い症状がなくなった場合でも、胃痛や胸焼けなどがあるときは胃の粘膜が荒れている可能性があります。頭痛薬には胃の粘膜にダメージを与えるものもありますので、そのような場合には服用しない方が無難です。
二日酔いによる頭痛には、イブ®シリーズ(イブプロフェン)やロキソニン(ロキソプロフェン)などのNSAIDsという種類の解熱鎮痛薬や、アルコール頭痛に有効とされる薬がおすすめです。市販薬としては、以下のものが該当します。
イブ®A錠などのイブ®シリーズは、イブプロフェンを主成分とした鎮痛解熱薬です。頭痛や歯痛、生理痛、腰痛など、胃痛以外のさまざまな痛みを緩和する効果があります。
ただし、服薬の際は胃腸の副作用に注意が必要です。二日酔いのときは、すでに胃腸はアルコールによるダメージを受けているため、薬の服用がさらに胃の負担となり、胃痛などを引き起こす恐れがあります。
服薬時はなるべく食後にし、食事がとれないときは牛乳と一緒に服用するなど、胃粘膜を保護するようにしてください。
ロキソプロフェンナトリウム水和物を主成分とした解熱鎮痛薬で、イブ®シリーズよりも即効性や鎮痛効果に優れています。胃への負担が少ないタイプの薬ですが、なるべく空腹時を避けて服用するようにしてください。
アルピタン®は「五苓散(ごれいさん)」という漢方薬が主成分で、余分な水分を体外に排出することで、頭痛や吐き気、胃のむかつき、下痢などの二日酔いの諸症状を緩和する効果があるとされます。
二日酔いによる頭痛と胃部不快感が同時に出ている方には、特におすすめの薬です。二日酔いのときに顔がむくんだり、尿量が少なかったりする方に向いています。
二日酔いによる頭痛は市販薬でも緩和できることがありますが、種類によっては重篤な副作用を引き起こしたり、胃を荒らしたりしてしまうものもあるため、自己判断での服薬は危険です。必ず医師や薬剤師に相談の上、薬を選ぶようにしましょう。