脳梗塞の予防で、食事面で気をつけることは?おすすめのレシピは?

2018/6/7

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

血液が凝固し、脳の動脈を詰まらせることが原因で引き起こされる「脳梗塞」は、一度発症すると非常に再発しやすいため、発症予防が大切とされています。
今回は、脳梗塞の発症を予防するために有効な食生活の改善について、脳梗塞の予防効果が期待できる食べ物やレシピをご紹介していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

脳梗塞予防のために食事で気をつけることは?

脳梗塞の原因となる血栓ができる背景には、肥満・高血圧・高脂血症など、生活習慣病が潜んでいるケースが多いです。このため、生活習慣病のリスクを回避できるよう普段の食生活を見直すことが、脳梗塞の予防にも非常に効果的であると考えられています。

具体的には、以下の点に注意して食生活を改善することが、脳梗塞予防に効果的とされます。

  • 腹八分目の食事を心がけ、適性のエネルギーを摂取する
  • ドカ食いを避け、糖と脂肪の過剰な吸収を避けるため3食きちんと摂る
  • 1日の摂取カロリーに対し、炭水化物60%、脂質20~25%、タンパク質15~25%になるようバランスの良い食事を心がける
  • 食塩を摂りすぎない
  • アルコールの摂取を避ける
  • 野菜や果物を積極的に摂取する
  • 血液の流れが良くなるよう、水分はこまめに摂取する

脳梗塞予防に効果がある食べ物・控えたほうがいい食べ物は?

ここからは「脳梗塞予防に効果のある食べ物」と「脳梗塞予防のために控えた方が良い食べ物」を、それぞれの理由・効能とあわせてご紹介していきます。

脳梗塞予防に効果のある食べ物

鯖、アジ、イワシなどの青魚
⇒コレステロール値を下げ、血栓をできにくくするDHA・EPAが豊富に含まれている
にんじんやピーマンなど、緑黄色野菜
⇒コレステロールが酸化して血栓になるのを防ぐβ-カロテン・ビタミンCが含まれている
昆布、わかめ、ひじきなどの海藻類
⇒コレステロールや中性脂肪を吸収し、便として排出する水溶性食物繊維・カリウムが豊富に含まれている
果物
⇒血栓の原因となるコレステロールの酸化を防ぐ、ポリフェノールが豊富に含まれている
※ただし糖分も高いため、食べすぎによる中性脂肪・血糖値上昇には注意が必要
オリーブオイル、または菜種油
⇒コレステロールを下げ、動脈硬化を防止するオレイン酸が豊富に含まれている
大豆
⇒筋肉と血管の収縮を防ぎ、血液が凝固し過ぎないよう調整するマグネシウム・カリウムが豊富に含まれている

脳梗塞予防のために控えた方が良い食べ物

アルコール
⇒多量の飲酒が肥満・脂質異常症・高血圧・糖尿病の要因となるため
肉などに含まれる動物性脂肪(飽和脂肪酸)
⇒肉の脂質・ラード、またマーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸には、コレステロール値や中性脂肪を増やす作用があるため
塩蔵品(漬物など)、加工食品、調味料
⇒食塩を過剰摂取しやすくなるため
甘いもの
⇒肥満や高血糖、血管の傷害を引き起こし動脈硬化や血栓、脳梗塞の原因となるため

脳梗塞の予防につながるレシピをご紹介!

以下に、脳梗塞の予防におすすめのレシピを2つご紹介しますので、参考にしてください。

《 脳梗塞予防レシピその1 》いわしのかば焼き丼

コレステロール値を下げ、血液の流れを良くする効果のあるいわしとたっぷりの玉ねぎを使った、食べ応え抜群の丼です。

まずは、以下の4人分の材料を用意します。

材料(4人分)

  • いわし 8尾
  • 片栗粉 適量
  • 中サイズの玉ねぎ 2個

《 下味用 》

  • ショウガのしぼり汁 小さじ1
  • 酒 大さじ1

《 タレ用調味料 》

  • 醤油 大さじ3
  • 酒 大さじ3
  • みりん 大さじ3
  • 砂糖 大さじ1~3
  1. いわしを手開きして、下味用に混ぜておいて調味料のなかに10~20分つけておき、その間に玉ねぎ全量をスライスしてラップで2分程度加熱し、しんなりさせておきます。
  2. タレ用の調味料をあわせたら、水分を拭いたいわしの両面に片栗粉をまぶして、熱しておいた大さじ2の油で、皮目から焼いていきます。
  3. 皮目を1~2分焼いたら裏返して玉ねぎを加え、いわしが重ならないように焼き、あわせておいたタレを加えて、照りが出るまで煮詰めてごはんにのせれば完成です。

《 脳梗塞予防レシピその2 》納豆入り根菜汁

血栓をできにくくし、溶かす働きも期待できる納豆を、ミネラルや水溶性食物繊維豊富な根菜類と一緒に摂取できるレシピです。

まず、以下の材料をお好みの量で用意します。

材料

  • 納豆 1パック
  • 油揚げ 1枚

《 根菜、野菜類 》

  • 干しシイタケ
  • ごぼう
  • にんじん
  • 大根

※各、お好みで適量

《 調味料 》

  • 味噌
  • だしの素
  1. 干しシイタケはたっぷりの水で戻し、石づきを取って輪切りに、にんじんと大根はいちょう切り、ごぼうはささがきにして水でアク抜きして、下ごしらえをしておきます。
  2. 油揚げに熱湯をかけて油抜きして細切りにし、だし汁に油揚げ・野菜類を投入して、15分ほどかけて火を通します。
  3. 火が通るまでに納豆をよく混ぜておき、煮立つ前に味噌を溶き入れて火を止め、納豆を入れれば完成です。

おわりに:生活習慣病予防を心がけた食生活が、脳梗塞の予防にも効果的

脳梗塞を予防するには、脳梗塞の原因となりうる生活習慣病予防に配慮した食生活を送ることが効果的です。基本的には、年齢・体型に対して適性な量と内容の食事を心がけて、肥満や高脂肪・高血圧状態を避けられるよう、意識すればOKです。この記事で紹介したレシピを参考にしながら、脳梗塞予防に効果的な食生活を実践してくださいね。

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