記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
脳の動脈が血栓でつまり、血管の狭窄や脳細胞の壊死などの症状、そしてさまざまな後遺症を引き起こす可能性のある「脳梗塞」の診断には、どんな検査を行うのでしょうか。
今回は、脳梗塞の疑いがあるときの検査方法について、一般的な検査内容や各種画像診断のメリット・デメリットをご紹介していきます。
梗塞は、血栓によって血管が詰まり、血液や酸素が脳に届かなくなってしまうことで、さまざまな症状・後遺症を引き起こしてしまう病気です。
脳梗塞による脳細胞へのダメージは、血液の供給が止まっている時間に比例してひどくなる傾向があります。つまり、診断・治療のスピードが、後遺症の程度を大きく左右するといっても過言ではないのです。
このため、脳梗塞が疑われる場合には、一刻も早い診断・治療の開始が推奨されます。
脳梗塞が疑われる場合、まずは以下の手順に沿って脳梗塞に近い症状の出る「脳卒中」や「くも膜下出血」などの脳疾患との判別を行います。
上記検査の結果、脳梗塞であると判断された後には、さらに「ラクナ梗塞」「アテローム血栓性脳梗塞」「心原性脳塞栓症」のどのタイプの脳梗塞かを判別していきます。具体的には、脳・心臓に対して以下のような画像検査を追加で行って診断します。
脳梗塞の疑いのある患者に対し、MRI・CTなどを使って画像検査することのメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
脳梗塞の画像診断におけるCTとMRIの使用には、それぞれ以下のようなメリットとデメリットが考えられます。
上記の通り、病歴や体質によっては、どちらか一方の画像診断しか受けられないケースもあります。病歴は事前に家族と共有しておき、もしものときに医師に伝えてられるようにしておきましょう。
脳梗塞では、発症から治療開始までの時間がその後の回復や後遺症に大きく影響するため、患者にはさまざまな検査がスピーディーに実施されます。特に画像診断に頼る部分は大きく、他の脳疾患との判別や、血栓の状態にあわせた適切な治療開始に役立っています。ただ、画像診断に使われるCT・MRIにはそれぞれメリット・デメリットがあります。人によっては使えない可能性もあることは、一緒に覚えておきましょう。