頭痛は脳梗塞のサイン?考えられる病気は?

2018/6/8

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

脳の血管が血栓によってつまり、動脈の狭窄や脳細胞の壊死が起こり、さまざまな症状が引き起こされる「脳梗塞」ですが、前兆として頭痛や吐き気が起こることはあるのでしょうか。
今回は激しい頭痛と脳梗塞の関係、そして、頭痛症状から発症が疑われる「くも膜下出血」という病気についても、解説していきます。

脳梗塞の前兆で頭痛や吐き気はある?

突然激しい頭痛に襲われたり、また頭痛に吐き気や嘔吐などを伴うときは、脳梗塞ではなく「くも膜下出血」の可能性も考慮します。

脳疾患のなかでも、特にくも膜下出血では激しい頭痛症状が出ることで知られていて、重症の場合には叫び、痛みで意識を失うほど激しい頭痛が現れるといいます。以下に、脳梗塞とくも膜下出血それぞれの前兆をまとめましたので、参考にしてください。

脳梗塞の代表的な前兆

  • 手足や顔など、身体の片方のみにしびれや動作不良などの障害が現れる
  • 視野が狭くなる、欠けるなどの視界不良が片目だけに現れる
  • 言葉が出ない、ろれつが回らないなどの言語障害が現れる

くも膜下出血の代表的な前兆

  • 後頭部を殴打されるような、経験したことがないほどの激しい頭痛に見舞われる
  • 一時的に意識を失う、あるいは昏倒するなどの意識障害が現れる
  • 頭痛と一緒に吐き気や嘔吐などの症状が出る

くも膜下出血ってどんな病気?

くも膜下出血は年間約2万人が発症するといわれ、このうち3分の1が死亡し、3分の1には何らかの障害・後遺症が残るといわれる、恐ろしい脳疾患です。

3つの層から成る脳のなかで、中間にあたる「くも膜」と「脳表」の間の血管で成長してきた動脈瘤(血管の瘤)が破裂し、2層の間で急速に出血が広がることで発症します。

動脈瘤は、破裂するかよほど大きくなって周囲を圧迫しない限り、何の自覚症状もなく少しずつ成長を続け、ある日突然破裂します。この動脈瘤が破裂するときに激しい頭痛を伴うといわれ、出血は血圧と頭蓋内圧が同じになれば止まりますが、脳ヘルニアなどで死亡することもあり得ます。

このように、くも膜下出血は誰にでもいつでも発症する可能性のある病気であり、予後が悪くなることもある重篤な病気なのです。

くも膜下出血だった場合、どんな検査をするの?

突然の激しい頭痛を訴え、くも膜下出血の発症が疑われる患者には、一般的に以下のような検査が行われます。

  • 頭痛の始まった時期や、痛みの程度・場所に関する問診
  • CT、MRIを使用した画像撮影検査
  • 頸(くび)が硬くなっているかどうかの触診
  • 背中から髄液を採取し、血液の混入を調べる腰椎穿刺(ようついせんし)
  • 脳の血管にカテーテルから造影剤を注入し、血管を見る脳血管造影
  • 抹消の静脈から造影剤を注入してCTで血管を映し出す3D-CTA  など

上記のうち、患者の状態や体質にあわせて複数の検査が行われ、検査結果を総合的に鑑みたうえで、くも膜下出血と診断されます。

実際の検査・診断の手順は、病院や医師の方針によって異なることもありますので、詳しくは受診する医療機関に問い合わせてください。

おわりに:激しい頭痛は、脳梗塞ではなくくも膜下出血の前兆である可能性が高い

脳疾患にもさまざまな種類があり、激しい頭痛の症状は、脳梗塞ではなく脳卒中の一種であるくも膜下出血の可能性が高いと考えられます。くも膜下出血は痛みとともに脳内で動脈瘤が破裂し、脳の中で出血が広がる恐ろしい病気で、発症すると何らかの後遺症を残すケースも少なくありません。前兆を感じた場合は一刻も早く病院に行き、適切な検査・診断を受けて、治療を開始してください。

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