花粉のアレルギー、治療法にはどんなものがある?

2018/6/14

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

花粉をアレルゲンとし、特定の季節に鼻炎や目のかゆみ・肌湿疹などの症状が出る花粉のアレルギーは、発症者が多いことから一般的によく知られています。
今回は花粉のアレルギーの治療法について、薬物療法・免疫療法・手術療法の3つに分けて、解説していきます。

花粉のアレルギー症状は薬で治せる

花粉のアレルギー治療で最も一般的なのは、薬を使って症状を抑える薬物療法です。
薬物療法では、アレルゲンとなる花粉が飛び始める頃・症状が出始める初期段階で開始する「初期療法」という治療方法をとるのが、最も効果的であるとされています。

花粉のアレルギー症状の発現を遅らせ、さらに花粉の飛散量がピークになる時期の症状軽減が期待できるため、特に以下の条件に当てはまる人におすすめの治療法です。

  • 症状が軽度ではなく、毎年中等症以上のアレルギー反応が見られる
  • 毎年の症状が辛いため、できるだけ楽に花粉シーズンを乗り越えたい人

なお、薬による初期治療の開始時期は、使用する薬の効果が現れるまでの期間と、アレルゲンとなる花粉の飛散時期を加味して決定します。

花粉アレルギーの治療法、アレルゲン免疫療法とは?

アレルゲン免疫療法とは、医師の監視下であえてアレルゲンとなる花粉成分(抗原)を少しずつ体内に吸収させることで、身体の免疫反応を弱めていく治療方法です。
治療に2~3年の長い期間を要し、継続的に通院する必要がありますが、アレルギーを長期的に寛解状態にできる可能性のある唯一の治療法といわれています。

花粉の飛散時期に入る前から治療を開始する必要があり、特に以下のような人におすすめの治療法です。

  • 花粉のアレルギー症状がひどく辛いため、時間がかかってでもきちんと治したい人
  • 対症療法ではなく、根本的に花粉のアレルギーを治療してみたい

具体的な治療方法としては、抗原を注射する「皮下免疫療法」と抗原エキスを舌の下に滴下して投与する「舌下免疫療法」があります。

特に舌下免疫療法は、近年になってから可能になった比較的新しい免疫療法で、注射が必要ないため皮下免疫療法に比べ患者の痛みや精神的負担が少ないという特徴があります。また、舌下免疫療法は最初の数回を除けば自宅で患者本人が行えるというメリットもあります。

ただし、免疫療法にはまれに治療中にアレルギー反応によるショック症状(アナフィラキシーショック)を起こすリスクもあるので、注意が必要です。

花粉のアレルギー症状で手術する場合って?

花粉のアレルギーで主に手術が必要となるのは、鼻の粘膜の腫れがひどく、呼吸が困難なほど鼻づまりの症状が辛いというケースです。手術療法は、特に以下のような状態の患者におすすめの治療法です。

  • とにかく鼻づまりの症状がひどく、日常生活に支障をきたすほど辛い

手術内容としてはレーザー照射などによって腫れている鼻の粘膜を切除して小さくするか、鼻水の分泌を促す神経を切るというもので、日帰りで受けることができます。

ただし、この手術治療の効果は数年ほどで切れる場合が多く、人によっては再発も見られる点には注意が必要です。

おわりに:花粉のアレルギー治療には、さまざまな選択肢がある

アレルギーのなかでも、食物アレルギーと並んで認知度が高く、発症者も多い花粉のアレルギー治療には、さまざまな選択肢が用意されています。最も一般的なのは薬物治療ですが、症状の出方や重症度によっては、免疫療法・手術療法を選択するのが推奨される場合もあります。まずは近くの耳鼻咽喉科を受診して、自分の花粉アレルギーの状態について理解したうえで、医師に治療について相談するのが良いでしょう。

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