魚の寄生虫の種類にはどんなものがある?予防対策は?

2018/7/19 記事改定日: 2019/4/9
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

お刺身などで生食の機会が多い魚介類。ただ、生で食べると魚が保有している寄生虫に感染し、ひどい症状に見舞われるリスクがあります。
今回はそんな魚の寄生虫の種類や、有効な対策について解説します。

魚の寄生虫:アニサキス

アジやサバ、鮭、サンマ、イカなどの魚介類の内臓に寄生している寄生虫です。体長2cmほどの太い糸状の線虫ですが、鮮度が落ちると筋肉へと移動し、発見が困難になります。

このアニサキスが寄生した生の魚介類を食べると、2〜8時間以内に激しい腹痛や悪心、嘔吐などが起こります。

対策

  • 加熱調理する
  • 生食するときは新鮮なものを選び、すぐに内臓を取り除いた後で、4℃以下に保存する
  • 冷凍処理で死滅させる(中心部まで−20℃で24時間以上)

魚の寄生虫:クドア・セプテンプンクタータ

ヒラメの筋肉に寄生する寄生虫の一種で、非常に小さい胞子のため目視は困難です。

クドア・セプテンプンクタータが大量に寄生したヒラメを生食すると、早ければ1時間以内に下痢や嘔吐が起こります。ただ、症状は一過性で軽い場合が多いです。

対策

  • 冷凍処理(中心部まで-20℃で4時間以上)
  • 加熱処理(75℃で5分以上)

魚の寄生虫:日本海裂頭条虫

鮭やマスなどの魚の背びれ付近の筋肉群に寄生する寄生虫で、幼虫のときは体長2cm程度ですが、成虫のときは5〜10mにまで成長します。終宿主は人間などの哺乳類で、サナダムシとしても知られています。

鮭やマスを生食すると幼虫が入り込み、人間の体内で成虫になると、下痢や腹部膨満感などの軽度の消化器症状を引き起こします。

対策

  • 生食をせず、冷凍処理をしてから食べる(中心部まで-20℃で4時間以上)

魚の寄生虫:シュードテラノーバ

タラやアンコウ、ホッケ、マンボウ、イカなどの内臓や筋肉に寄生する寄生虫です。アニサキスより太くやや大きい見た目をしています。

人間の胃や腸壁に侵入すると、2〜10時間以内に激しい腹痛や吐き気、嘔吐、蕁麻疹などの症状に見舞われます。

対策

  • 冷凍処理(中心部まで-20℃で24時間以上)

魚の寄生虫:旋尾線虫

ホタルイカやスルメイカ、スケトウダラ、ハタハタなどの魚介類の内臓に寄生する寄生虫です。幼虫は体長5〜10mm、幅は74〜110μmと非常に細いため、目視は難しいです。

生のホタルイカを内臓ごと食べたり、踊り食いをしたりすることで人間の体内に入り、食べてから数時間〜2日程度で腸閉塞を起こしたり、2週間前後で皮膚爬行症(ミミズ腫れのような痕)が見られたりします。

対策

  • 冷凍処理(-30℃)

寄生虫は家庭用冷凍庫でも処理できる?

釣りなどで個人的に入手した鮮魚にも当然ながら寄生虫が潜んでいる可能性があります。
鮮魚の寄生虫は冷凍処理をすることで死滅させることができますが、中心部まで-20℃以下にした状態を24時間以上キープしなければなりません。

家庭用冷蔵庫でも-20℃~-18℃ほどに保つことは可能ですが、ドアの開閉などを頻繁に行うことで温度が上昇しやすく、-20℃以下をキープするのは難しいと考えられます。このため、家庭で鮮魚を扱う際には冷凍庫での処理は難しいと考え、加熱してから食べるようにしましょう。

おわりに:適切な冷凍処理や加熱処理で寄生虫感染を防ごう

魚の寄生虫は、魚の内臓や筋肉などあらゆる場所に寄生している可能性があります。きちんと冷凍処理や加熱処理をすれば死滅しますが、自宅で調理するときなどは特に取り扱いに注意が必要です。

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