認知症の薬の種類や副作用って?どうやって使い分けているの?

2018/6/12 記事改定日: 2019/2/8
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

認知症で使用される薬や副作用にはどのようなものがあるのでしょうか?また、漢方薬が処方されることもあるのでしょうか?認知症の薬の種類や副作用、使い分け方について解説していきます。

認知症の薬にはどんなものがある?

認知症の治療薬には、以下のものがあります。

アリセプト®(ドネペジル塩化塩)

アルツハイマー型やレビー小体型※の病態の進行を遅らせる効果があります。
※レビー小体型認知症とは、脳の広範囲に、レビー小体と呼ばれる異常蛋白が溜まることで、脳の神経細胞の減少が起きる進行性の病気です。

レミニール®(ガランタミン臭化水素酸塩)

比較的軽いアルツハイマー型の病態の進行を遅らせる効果があります。
イクセロン®パッチ/リバス®タッチパッチ(リバスリグミン)
比較的軽いアルツハイマー型の病態の進行を遅らせる効果があります。

メマリー®(メマンチン塩酸塩)

比較的軽いアルツハイマー型の病態の進行を遅らせる効果があります。

サアミオン®(二セルゴリン)

脳梗塞後遺症である慢性脳循環障害による気分減少の改善に効果があります。

セロクラール®(イフェンプロジル酒石酸塩)

脳梗塞後遺症である慢性脳循環障害によるめまいの改善に効果があります。

ケタス®(イブジラスト)

脳梗塞の後遺症で起こる慢性脳循環障害のめまいの改善に効果があります。

ルシドリール®(塩酸メクロフェノキサート)

頭部外傷後遺症によるめまいの改善に効果があります。

認知症の薬で副作用や使用するときに注意が必要なものとは?

アリセプト®(塩酸ドネペジル)

アルツハイマーの初期~中期の症状である、記憶障害の症状の進行を遅らせる作用があるとされています。アルツハイマー病によく見られるセチルコリンという神経伝達物質の減少を抑制する効果のある薬剤です。ただし基礎疾患に心臓疾患などがある人には、使用出来ません。

副作用

主な症状
吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢、興奮などがあります。
せん妄
脳内のドーパミンの量が減少することにより発症することがあります。
薬物に対する過剰症状
レビー小型認知症でまれに見られる副作用で、通常は過剰症状を防ぐために少量から服用が開始されます。

認知症で漢方薬が使われることもあるの?

認知症では、抑肝散(よくかんさん)という漢方薬が使われることがあります。

抑肝散(よくかんさん)

徘徊や暴言などの周辺症状の改善に効果的だとされています。
脳内にあるグルタミン酸などの神経伝達物質の分泌を抑制し、興奮を抑える作用があります。

副作用

主な症状
発疹、食欲不振、下痢
低カリウム血症
不整脈、脱力感

認知症の薬はどう使い分けれているの?

現在、日本で使用されている認知症の治療薬には4種類の薬剤があり、大きく分けると「アセチルコリンエステラーゼ阻害薬」と「NMDA受容体拮抗薬」があります。
それぞれ症状の程度や認知症の種類によって使い分けられており、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の一種であるアリセプト®︎は、全ての段階のアルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症に有用であるものの、NMDA受容体拮抗薬のメマリー®︎は中等度以上のアルツハイマー型認知症のみに使用されます。

また、認知症に伴って生じる精神症状やパーキンソン症状が著しい場合には、それぞれの症状に合わせて抗精神病薬や抗パーキンソン薬などが適宜使用されます。
このように、認知症の治療は患者個々の状態を見極めて、最適な治療薬が組み合わせて使用されるのが一般的です。判断は主治医によりますので、治療中は家族や介護の人が主治医とよくコミュニケーションをとり、普段の様子を詳しく伝えるようにしましょう。

おわりに:症状の種類によって処方される薬が使い分けられる

認知症の薬には様々な種類があり、アルツハイマー型やレビー小体型の病態の進行を遅らせる効果のある薬や、慢性脳循環障害によるめまいや気分障害を改善する効果のある薬などがあります。

また、抑肝散と呼ばれる、徘徊や暴言などの周辺症状の改善に効果のある漢方薬が処方されることもあります。副作用の症状が強い場合や、症状の悪化が見られる場合は、すぐに担当医に相談しましょう。

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