貧血の裏に病気が隠れている?どんなときに注意すればいい?

2018/6/21 記事改定日: 2019/1/31
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

貧血は何らかの病気の症状として現れることがあり、なかには命に関わるように重大な病気が隠れていることがあります。
ここでは貧血を引き起こす病気について解説していきます。深刻な病気を見過ごさないように、きちんと覚えておきましょう。

貧血症状が出る病気にはどんなものがある?

二次性貧血(続発性貧血)

感染症、膠原病(こうげんびょう)、慢性炎症、がんなどの血液に関連する病気以外のものが原因となり発症する貧血です。

なお、二次性貧血の一つである腎性貧血は、様々な進行した腎臓病のときに発症します。
症状としてめまいや立ちくらみなどが起こり、鉄分の補給をしても改善されないため、根本的な原因となっている病気を治療する必要があります。

再生不良性貧血

原因は解明されていませんが、赤血球を生成する骨髄の働きが低下することにより赤血球の数が減少し、引き起こされる貧血だとされています。

一般的な症状として、めまい、耳鳴りなどがあるほか、感染症になりやすくなる、高熱が出るなどの症状が起こることもあります。

治療では、骨髄移植や免疫抑制療法などの専門的な治療が必要です。

溶血性貧血

赤血球が壊れやすい体質や、自己免疫が赤血球を攻撃することにより発症する貧血です。他の貧血と同様に赤血球の大幅な減少によるめまいや耳鳴りなどの症状のほか、顔色が黄色に変色したり、尿がコーラ色になるなどの症状が出ることもあります。

原因によりますが、先天的な体質が原因の場合は、脾臓を摘出する手術が行われることがあります。それ以外の場合では、ステロイド薬の服薬治療が行われます。

脳貧血(起立性低血圧)

立ち上がったときに、一時的に脳の血流が低くなることで、めまいや立ちくらみが生じる貧血(起立性低血圧)です。

ただし、ヘモグロビンの減少による貧血とは異なり、ストレスや自律神経の乱れによっても起こります。また、貧血があると、より起こりやすくなります。日頃からこまめに塩分・水分を補給したり、枕を高くして就寝中の血圧を下げるなどの対策を行いましょう。

貧血の症状 ― こんな症状には注意!

めまい

赤血球の不足により体内の酸素のめぐりが悪くなり、脳が酸欠状態となります。それにより、突然目がまわる、ふらふらする、気が遠くなるなどの症状が起こります。

立ちくらみ

突然立ち上がった時に、頭がふらふらする、目が回るなどの症状が起こります。

耳鳴り

周囲で音が鳴っていないにも関わらず、自分の耳の中で音が聞こえる症状です。人により聞こえる音が異なりますが、ブンブン、ゴロゴロ、ザーザーなどの音が聞こえると言われています。貧血による耳鳴りの特徴は、心臓の音が耳元で聞こえるとされています。

動悸

通常はあまり感じることのない心臓の拍動を敏感に感じる症状です。急に胸が大きく脈打ったり、鼓動が速くなるのを感じたりします。

息切れ

貧血になると、身体や脳に必要な栄養や酸素の供給がうまくいかなくなるため、疲労を感じやすくなります。そのため、軽く体を動かすだけでも酸欠状態となり、息切れが起こりやすくなります。

食欲不振

脳に必要な酸素が不足することにより、食欲を調整する機能に影響が及び、食欲低下が起こることがあります。

固形の食べ物が飲み込みにくくなる

貧血による鉄分不足は、食道の粘膜細胞の増殖に影響を及ぼし、食道を収縮させてしまうため、固形物の飲み込むが難しくなります。

顔色や皮膚、爪などが青白くなる

血液中をめぐっているヘモグロビンは赤い色素の源なので、ヘモグロビンの値が低下すると、顔色が青白く見えることがあります。また顔だけでなく、口内、唇、爪、皮膚なども青白く見えることがあります。

うつ症状

貧血により、だるい、鬱などの精神的な症状や、肌荒れ、睡眠障害、異食症などのさまざまな症状が起こることがあります。

男性の貧血は「がん」が原因かも?

男性の貧血は、胃がんや大腸がんなどによる慢性的な出血が原因のことがあります。
以前に比べて、立ちくらみやめまい、動悸、息切れなどの貧血症状が起こりやすくなったという人は、一度病院で検査を受けてみましょう。

胃や大腸に出血が生じている場合には、これらの身体症状以外にも便の性状に変化が見られます。
黒く粘り気のある便が出る場合は、胃や十二指腸から出血している可能性があり、大腸で出血が生じている場合には、便に鮮血が混じることが多く、その他にも便が細くなる、便が出にくくなるなどの症状が引き起こされます。

貧血症状と便の異常を伴う場合は、思わぬ重篤な病気が潜んでいる可能性がありますので、なるべく早めに病院を受診することをおすすめします。

おわりに:貧血には病気が隠れていることも。まずは原因を特定しましょう

貧血の症状が起こる病気には、二次性貧血・再生不良性貧血・溶血性貧血・脳貧血(起立性低血圧)などがあり、血液とは関連のない病気や、自己免疫の異常、骨髄の働きの低下などの原因によっても貧血が起こります。
とくに男性の貧血には胃がんや大腸がんなどが原因で「体内で出血」している恐れがあります。
病気を早い段階で見つけるためにも、頻繁に貧血の症状が出る人はすぐに病院で検査してもらいましょう。

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