認知症のテストにはどんなものがある?

2018/7/19

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

認知症の診断する際に使われるテストはどのようなものなのでしょうか?運転免許更新時の認知機能検査ではどのような事を行うのでしょうか?認知症の診断テストについて解説していきます。

認知症のテストにはどんな種類があるの?

認知症テストの代表的なものに、「改定・長谷川式簡易認知評価スケール」「MMSE」があります。これらのテストでは、記憶力や認知機能を調べることにより認知症の有無を確認を行います。このテストの段階では、脳の画像検査や特殊な機器などは使用しないので、あまり気負わずに検査を受けましょう。

改定・長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)

知名度が高く、用いられることの多い認知症診断テストです。
問題は全9問となっており、30点満点で採点されます。20点以下の場合は「認知症の可能性がある」とされます。ただし、レビー小体型認知症の場合はこのテストでは高得点が出ることが多いため、改定・長谷川式簡易知能評価スケールの結果だけで認知症の有無が確認できるとは限りません。

ミニ・メンタル・ステート検査(MMSE)

MMSEは、国際的な認知症の診断テストです。長谷川式より複雑な質問が出され、11項目30点満点で採点されます。22~26点の場合は軽い認知症、21点以下の場合は認知症の可能性が高いと診断されます。

認知症を確認するテストは、上記の2つ以外にも複数あり、診断時の症状などを考慮してテストを行います。

認知症かどうかテストする運転免許更新時の認知機能検査って?

認知機能検査は、運転に必要とされる記憶力や判断力を、3つの項目で確認する検査です。75歳以上の運転者に対して、免許更新時や特定の違反をした際に行われます。検査は教習所などで行われ、その場もしくは後日書面で結果を受け取ることができます。

検査が義務付けられた背景とは?

近年は、急激な高齢化が進んでいるため、高齢者による事故の割合も増加しています。この10年間で75歳以上の高齢者運転による死亡事故の割合は約2倍となり、その原因に認知症が隠れているケースも少なくないとされています。

また本人に自覚がなくても、加齢とともに注意力・判断力の低下が低下していることもあります。そのため、認知機能検査を用いて高齢者の状況判断を行うことで、結果を踏まえた講習の実施などのその後の運転生活をサポートすることができます。

対象者は?

75歳以上の運転者の免許更新時
75歳以上の免許更新時には受験が必須となり、更新時期が満了する6カ月前からの受験が可能とされています。
75歳以上の運転者が一定の違反をした場合
2017年3月に改正された規定では、信号無視や一時不停止などの一定の違反をした75歳以上の運転者の受験が必須となりました。通知書が届いてから1ヶ月以内に受験がなされなかった場合は、免許の停止やと取り消しなどが行われることがあります。

検査内容は?

検査内容は大まかに3つに分かれており、説明から検査終了までに30分ほど必要とされています。

時間の見当識(約3分)
検査当日の日時を解答用紙に記載することで、現在自分が置かれている「時(時間)」を正しく認識できているかを確認します。
手がかり再生(全体で約14分)
「短期記憶」と呼ばれる、少し前の記憶を引き出す力の確認を行います。
この検査は点数の配分の6割を占める、重要な検査となっていて、下記の順番で行われます。

  1. 絵を覚える(説明込みで約5分)
    試験管が、「この動物はライオンですね」などの手がかりとともに、1枚に4つの絵が描かれた紙を4枚提示するので、受験者はそれを1枚ずつ記憶します。
  2. 介入課題を行う(説明込みで約2分)
    この検査は採点されませんが、数字の沢山書かれた表を見て、試験管の指示に従いながら特定の数字を斜線で消していく検査が行われます。
  3. 絵を思い出すpart1(説明30秒+回答3分)
    ①で記憶した絵をヒントをもとに思い出し、解答用紙に記入します。
  4. 絵を思い出すpart2(説明30秒+回答3分)
    ①で記憶した絵について「絵に描かれていたのは何の動物でしたか?」などの問題が出るので、答えを解答用紙に記入します。
時計描写(説明込みで約2分)
空間認識能力、構成能力、数の概念の理解などを確認する検査です。

  1. 時計を描く
    大きな円を描いて、その中に1~12の数字を書き込みます(1分)。
  2. 時計の針を描く
    試験管の指示した時間になるように、①の時計に針を書き込みます(30秒)。

警視庁のHPには、実際に検査で使われる絵や記入用紙、採点基準などが載っているので、検査を受ける前に一度確認しておきましょう。

おわりに:事前に検査内容を確認しておきましょう

認知症テストの代表的なものに、「改定・長谷川式簡易認知評価スケール」「MMSE」があり、記憶力や認知機能を調べることで認知症の有無の診断を行います。また、75歳以上の運転者は、免許更新時や特定の違反をした際に認知機能検査を行う必要があります。検査では、時間の見当識・短期記憶の引き出し・空間認識能力・構成能力・数の概念の理解などを確認します。検査を受ける前に一度、警視庁のHPで内容を確認してみましょう。

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