記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
脳梗塞は、脳の血管が詰まったことで脳細胞が障害される病気ですが、大きく3種類に分類できることをご存知でしょうか。
この記事では、脳梗塞の種類と、種類ごとの症状や原因、治療法の違いについてわかりやすく解説しています。医師からの説明がわからなかったという人や、セカンドオピニオンを検討している人は参考にしてください。
脳梗塞は、脳の血管が細くなったり、血管に血栓(血のかたまり)が詰まったりすることで起こります。脳に酸素や栄養が送られなくなって、脳細胞の障害がひどくなると、後遺症が残ってしまうこともあります。
脳梗塞は、詰まる血管の太さやその詰まり方によって3タイプに分けることができます。
ラクナ梗塞は、高血圧などが原因で血栓が脳の細い血管が詰まって起こる脳梗塞です。ラクナは「小さなくぼみ」という意味で、日本人には最も多いとされています。
アテローム血栓性脳梗塞は、脳の太い血管が詰まって起こる脳梗塞です。首から脳に通じる頸動脈や、頭蓋内の太い動脈の硬化が詰まることが原因で起こります。
アテローム硬化とは、血管の中でコレステロールが固まり、血管が狭くなることです。血栓ができることで詰まったり、血栓がはがれて流れ、またその先で詰まったりします。発症には、脂質異常症、糖尿病、高血圧などの生活習慣病が関わっていると考えられています。
心原性脳塞栓症は、心臓にできた血栓が脳まで運ばれて、太い動脈を詰まらせることによって起こる脳梗塞です。基本的に、心臓が正常であれば血栓ができることはほとんどありませんが、心臓の機能に異常や機能の衰えなどが原因で鼓動のリズムの乱れが乱れると血栓ができやすくなります。このような血栓ができやすくなる心臓の病気としては、心房細動や心筋梗塞、心筋症などが挙げられます。
この3つの脳梗塞は原因がそれぞれちがうため、症状などの特徴が以下のように異なります。
ラクナ梗塞は、症状が出ないことも多く、本人が知らない間にゆっくりと進行することが特徴といわれています。症状が出たときも比較的軽めなことが多く、突然意識がなくなるようなことはあまりありません。夜間や早朝、手足のしびれやしゃべりにくさを感じて病院を受診するケースが多いといわれていますが、これらの症状を見過ごしてしまうと血管性認知症や歩行困難など症状が現れるパーキンソン症候群を起こすことがあります。
アテローム血栓性梗塞では、脳の大きな血管がつまってしまうため、発症時のダメージも大きいものとなります。片麻痺や感覚障害、失語や失認などの「高次脳機能障害」を伴うことも多く、脳以外の器官にも影響が広がると心筋梗塞や四肢の閉塞性動脈硬化症などの合併症に発展することがあります。
心原性脳塞栓症は、大きな動脈が詰まってしまうため、影響を受ける範囲がかなり広くなることが特徴です。比較的大きい病巣ができてしまうため、命の危険がともなう危険性が高くなるといわれています。
脳梗塞の治療は、基本的には薬による内科的治療を行います。
主に使われる薬には、
などがあり、機能回復のためには薬とあわせてリハビリテーションが重要になってきます。
それぞれの治療の特徴を以下で紹介していきましょう。
脳梗塞には、脳の細い血管が詰まって起こる「ラクナ梗塞」、脳の太い血管が詰まって起こる脳梗塞「アテローム血栓性脳梗塞」、心臓にできた血栓が脳まで運ばれ太い動脈を詰まらせることによって起こる「心原性質脳塞栓症」の3タイプがあります。原因の違いによって、症状や治療法も変わってくるため違いをしっかり把握しましょう。