前立腺がんのホルモン療法の副作用って?効果はどのくらい続く?

2018/7/19

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

前立腺がんの治療のひとつに、ホルモン療法があります。前立腺がんのホルモン療法は、アンドロゲンの分泌や働きを抑制する治療法になりますが、どのような効果があるのでしょうか。また、副作用はあるのでしょうか。

前立腺がんのホルモン療法の副作用は?

「前立腺がん」のがん組織が男性ホルモンであるアンドロゲン(テストステロン)の影響を受けることから、その分泌や働きをブロックしてがんの増殖を抑えようというのが「ホルモン療法」(薬物療法)です。

男性ホルモンが低下することで、女性の更年期症状と似た症状も含め、さまざまな副作用があらわれます。

早期からもっとも多くみられるのが

  • ほてり(ホットフラッシュ)
  • 頭痛
  • 発汗

です。

また、通常1年以内には

  • 性欲減退
  • 勃起障害(ED)

が起こるといわれています。また、治療法によっては

  • 女性のように乳房が張ってくる(女性化乳房)
  • 肝機能障害
  • 貧血
  • 骨粗鬆(そしょう)症
  • 肥満
  • 糖尿病
  • 心血管疾患

が起こる場合もあるので、定期的な検査が必要です。

その他、筋肉の減少や認知機能の低下、うつ傾向があらわれたりなどが現れることもあります。

ほとんどはホルモン療法を休止すれば改善しますが、「女性化乳房」などそのままでは戻せない変化も起こり得ますし、前立腺がんの状態によっては治療が中止できないこともあります。身体に異常を感じたら、早目に主治医に知らせましょう。

前立腺がんのホルモン療法の持続期間は?

ホルモン療法の効果の持続期間には個人差があり、特に

  • 前立腺がんを見つける血液検査「PSA検査」の数値が最初から高い人
  • 悪性度の高い前立腺がんの人
  • すでにがんの転移がある人

は、比較的早く効果がなくなる傾向があります。
一方で、治療を継続することで10年以上も病気の進行がない人もいます。

一般的には、ホルモン療法で病気の進行を抑えておける期間は数年で、抑えられなくなった場合には女性ホルモンの投与などで短期間の改善がみられますが、その効果もなくなると悪化していくことがほとんどといわれています。
効果が続いているかどうかはPSA検査で判断されます。
一般的には

数値が低下しているとき
がん細胞は抑えられているとき
数値が上昇している
悪化している

と判断され、注射や内服薬を変更して経過をみることになりますが、PSA値と状態が一致しないこともあるので、定期的なCTや骨シンチグラムなどの画像診断も行いながら、総合的に判断されます。

前立腺がんのホルモン療法って、注射を使う方法以外にもあるの?

通常、注射薬は1ヶ月もしくは3カ月に一度、黄体化ホルモンを抑制する薬剤をへその周りや大腿や上腕の皮下脂肪が多い部位に注射し、並行して内服薬を毎日服用するようにします。注射薬のなかには、4週間間隔で投与してアンドロゲンそのものを作り出せないようにするものもあります。
それぞれに似た働きを持つ内服薬もあり、それらを組み合わせて治療が進められることになります。

また、状態によっては、注射を使わず「精巣摘出術」が行われる場合があります。この治療は数日間の入院が必要となりますが、アンドロゲンの主な供給源である精巣の両側を取ってしまうため、アンドロゲンの産生を大きく抑制することができます。

おわりに:効果は数年間持続しますが副作用は多岐に渡ります。異常が出たら早目に医師に相談を

ホルモン療法の効果の持続期間は人により異なりますが一般的には数年間とされ、ホットフラッシュをはじめとしてさまざまな副作用が現れることがあります。副作用は治療の休止で大半は改善しますが、もとに戻らない変化が起こることもあります。身体に異常を感じたら自己判断で薬を止めることせず、主治医に知らせ適切な対処をしてもらいましょう。

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