記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
睡眠のゴールデンタイムは午後10時~午前2時といわれていますが、今はこれと違った時間帯も重要と考えられています。
この記事では、睡眠のゴールデンタイムとともに、意識しておきたい時間帯について説明しています。
よりよい睡眠のために、きちんと理解しておきましょう。
睡眠のゴールデンタイムは午後10時から午前2時の間と言われていました。
しかし、現在では、成長ホルモンは、寝付いてから最初の90分間に最も多く分泌され、それから約3時間はホルモン分泌量が多い状態が続くという説もあることから、睡眠のゴールデンタイムとされていた午後10時から午前2時ではなく、「最初の3時間」の睡眠の質を高くする工夫が重要といえるでしょう。
成長ホルモンの分泌には、睡眠の質が大切です。私たちが眠っている時には、深い眠りと浅い眠りを交互に繰り返します。成長ホルモンが多く分泌されるのは、深い眠りについたときです。つまり、いつ寝ても成長ホルモンが多く分泌されるわけではなく、深い眠りにつきやすい時間に寝た時に多く分泌されるのです。
では、何時ごろ寝るとより多くの成長ホルモンが分泌されるのでしょうか。深い眠りに影響するのは、睡眠ホルモン「メラトニン」です。メラトニンは午前3時ごろから5時ごろを境に、それ以降は減少していくため浅い眠りとなっていきます。成長ホルモンが眠りついた時から3時間に多く増えることを考えれば、遅くとも深夜0時までに眠るようにすると良いでしょう。
睡眠の質を高めるには、深部体温を下げることが大切です。
深部体温は日中に高くなり、夜間に低くなる特徴があります。そして、寝る前に深部体温が下がった方が、眠りも深くなりやすいといわれています。
深部体温を下げる方法のひとつに、寝る90分前にお風呂に入るという方法があります。
これは、
※入浴で上がる深部体温は0.5℃のため、再度下がるまでに90分かかる
というメカニズムからすすめられている方法です。
浴槽に入る方が好ましいですが、忙しいときには足湯だけでも良いでしょう。
また、脳を休ませることも睡眠の質に大きく影響します。脳は興奮すると体温が下がりにくくなり、寝つきも悪くなります。睡眠の質を高めるためには、脳を休ませることが大切です。
寝る前にスマホを操作すると脳を活性化してしまいますので、ベッドに入ったらスマホを触るのは避けた方がよいでしょう。なお、ブルーライトが睡眠に影響すると言われていますが、暗い部屋で長時間スマホの画面を顔に近づけてみない限りは神経質になる必要はありません。
眠りについた最初の3時間が睡眠のゴールデンタイムといわれていますが、成長ホルモンの分泌が高まる時間帯を考えると、なるべく深夜0時までには眠りにつくようにしましょう。また、睡眠の質を高めるためにも、入浴で体温をコントロールしたり、脳を休ませる工夫をする必要があります。いずれにしても、深夜0時を超えてスマートフォンやタブレットを見るような習慣は睡眠の妨げになるので、この機会に止めることをおすすめします。