睡眠負債が体と心に及ぼすリスクって?寝だめで解消できるの?

2018/6/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

睡眠負債とは、寝不足の状態が続くことで、疲れや体の不調がどんどん積み重なっていくことです。日ごろの睡眠不足を寝だめで解消しようとする人がいますが、このような考え方は問題ないのでしょうか。
この記事では、睡眠負債の解消法について紹介しています。

睡眠負債がたまると、体にどんなリスクがある?

睡眠不足が借金のようにどんどん蓄積されていく睡眠負債は、大脳に影響を及ぼし、創造的な思考作業や倫理的な判断、記憶力の低下につながり、これらによってメンタル面に影響を及ぼし、精神的な疾患のリスクを高めます。
また、思考力などだけでなく肉体にも影響し、免疫力が低下して風邪をひきやすくなったり、アレルギー性疾患となりやすくなったりするといわれています。
その他、肥満、糖尿病、高血圧、心臓病、がんといった病気のリスクも上昇すると考えられています。

寝だめで睡眠負債を返済できる?

寝不足気味で疲れがたまっていると「寝だめをしよう」と考えがちかもしれませんが、寝だめをしても睡眠負債を解消することはできません。

これは、寝だめが生活リズムの乱れを引き起こすことが原因と考えられています。土日しっかり寝たのに月曜日になると起きられない、いわゆるブルーマンデーという現象に陥るのは、必要以上に長く寝すぎてしまい、生活リズムが乱れてしまったことが原因の可能性があります。
つまり、寝不足が続くから寝だめをするのではなく、睡眠負債をためないように毎日十分な睡眠をとることが大切というこです。

睡眠負債を解消したい!どうすればいい?

睡眠負債を解消したいときは、以下のような方法をとるようにしましょう。

毎日15~30分ずつ早めに寝る
睡眠負債を借金で例えると、一気に大金を返すのではなく毎日少しずつお金を返していくということです。それでも眠気があるようであれば、次の週はさらに30分早く寝るようにしましょう。このように少しずつ睡眠時間を調整することで、自分の適切な睡眠時間を理解することができるでしょう。
休日の寝坊は2時間まで
休日だからと必要以上に長く寝るのではなく、普段よりも2時間長めに眠る程度に抑えましょう。
昼の12~15時の間に90分昼寝する
昼寝することは体内リズムの調整に役立つとされ、夜間の睡眠に影響を及ばさずに睡眠負債を解消できます。ただし、20分以上昼寝をしてしまうと頭がぼんやりしてしまうことがあるので、昼寝する時間は20分以内にしましょう。

他にも、

  • 朝の光を浴びる
  • 夕方以降にカフェインを摂らない
  • 入眠90分前に入浴する
  • 寝る前に食事を摂らない

などを試してみてください。

おわりに:1日の中で細かく睡眠負債を返上しましょう

睡眠負債をまとめて解消しようと「寝だめ」をすることは、かえって睡眠負債を溜めこんでしまう可能性があります。睡眠負債は細かく返していくことが大切なので、1日の中で20分以内の昼寝をちょこちょこと行う、夜よく眠れるように1日の行動を注意するように心がけましょう。
睡眠負債はため込むことで眠さや疲れを招くだけでなく、心や身体に悪影響を及ぼしてしまうことがあります。心身の健康のためにも睡眠負債はため込まないようにしましょう。

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