記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/14 記事改定日: 2019/1/28
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
一度乱れてしまった睡眠サイクルを元に戻すにはどうすればいいのでしょうか?また、夜勤をしている場合はどうすれば戻しやすくなるのでしょうか?
理想的な睡眠サイクルと睡眠サイクルの改善方法について解説していきます。
生活リズムを整えるには、睡眠が重要となります。体温・血圧・自律神経・ホルモンの分泌などの体の機能は、24時間周期でリズムを刻んでいるため、それらが乱れると体に悪影響を及ぼすからです。
そのため、健康維持や病気予防、美容のためにも、毎日決まった時間に睡眠を取り体内時計を整えることが大切です。また平日の疲れを取るために、休日に「寝溜め」をする人がいますが、睡眠リズムが乱れて夜に眠れなくなってしまうので辞めましょう。無理は禁物ですが、できる限り就寝・起床時間をそろえるようにしましょう。
決めた時間に寝ようと思ったり、早く寝なくてはと焦ると逆に頭が冴えてしまい、入眠を妨げてしまいます。
そのようなときには、まず睡眠環境を改善することをおすすめします。身体に合った寝具や、暗めの照明を使うことで眠りやすくなる可能性があります。
朝食は、1日活動するためのエネルギー源となるだけでなく、身体の代謝向上やホルモンバランスにも良い影響を及ぼします。起床後1~2時間以内に朝食を摂るようにしましょう。
起床後にカーテンを開けて日光を浴びることで、体内時計のリセットをすることができます。そして、体内時計のスイッチが入ると、約14~16時間後に睡眠ホルモンのメラトニンが産生されるため自然に眠くなります。眠気が強くなるのはそれから1~2時間後なので、朝日光を浴びる時間から16~17時間後に就寝するようにしましょう。
就寝前に夕食を摂ると、内臓が消化活動に忙しくなるため、身体が眠りに集中できなくなります。そのため、就寝3時間前には食事を済ませるようにしましょう。
睡眠中は、深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」を繰り返しています。
眠りはじめにはノンレム睡眠が訪れ、その後レム睡眠が生じ、またノンレム睡眠に移行するというサイクルを繰り返しますが、一回のノンレム睡眠→レム睡眠は約90分のサイクルとされています。
レム睡眠は体は休んでいるものの大脳は休んでいない状態のため、目が覚めやすく、大脳も休んでいる状態のノンレム睡眠時に目覚めると頭がぼーっとして目覚めの悪さを感じます。
このため、睡眠サイクルは、レム睡眠から再びノンレム睡眠に移行する時に目覚めるのが理想です。
また、十分に疲れを取るには、6時間以上の睡眠が必要ですので、睡眠時間は6時間以上、90分刻みを目安にするとよいでしょう。
理想的な睡眠では、夢を見る、体温が高いなどのサインが見られ、なによりも起床時に頭がぼーっとせずに爽快感を覚えることがポイントとなります。毎日の起床時の状態をチェックして理想的な睡眠を得るように心がけましょう。
日勤と夜勤を交代で行っている場合は、夜勤の生活に身体が慣れてきた頃に日勤に戻ってしまうため、体内時計が定まらず、日勤時も夜勤時も頭が働かない状態になりかねません。
そのような事態を避けるためにも、夜勤を行っている人は以下のようなことに気をつける必要があります。
アメリカの高速道路交通事故の記録分析によると、「交通事故前の24時間以内に4時間未満の睡眠しか取っていない人の場合は、7時間以上睡眠を取った人と比較して事故率が11.5倍になる」ということが確認されました。
仮に事故前に4~5時間の睡眠を取っていても、事故率は4.3倍となります。つまり、仕事前や仕事中に仮眠を取っていたとしても、夜勤明けの運転には危険が伴うということです。夜勤明けに運転するときは十分に注意しましょう。
睡眠サイクルを整えるためには、質の良い睡眠・睡眠環境・朝の過ごし方が重要となります。毎日決まった時間に睡眠を取る、寝具や照明の改善、日光を浴びる、朝食を食べるなどの具体的な対処を行うようにしましょう。
また、夜勤のある人は体内時計を日勤に合わせ、自宅は遮光カーテンなどで暗くするなどの工夫を行いましょう。