睡眠の質を高めるにはどうすればいい?

2018/6/15

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

眠りが浅いと疲れがとれず、頭の働きもイマイチになりがちですが、睡眠の質を高めるためにはどんなことに気を付ければいいのでしょうか?以降では良質な睡眠をとるための改善方法や、寝具の選び方などについて解説していきます。

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睡眠の質はどうやって改善する?

就寝前の行動を見直す

就寝前の激しい運動・入浴・PCやスマートフォンなどの光を見る・飲酒などの行動は、睡眠の質を下げるとされています。

寝具を変える

普段使用している布団・マットレス・枕などの寝具が自分の体に合っているかを確認し、重さや快適さなどにこだわって選んでみましょう。

朝日を浴びる

起床後に朝日を浴びるのを習慣化させましょう。体内時計が整い、日光を浴びた約14時間後に眠気が起こるようにリセットされるといわれています。

アプリを活用する

睡眠サイクルを記録するアプリ、目覚ましアプリ、睡眠中の心拍数をチェックするアプリなど、質の良い睡眠生活送るために役立つアプリがあるので、活用してみるのもいいでしょう。

音楽を活用する

就寝前に、癒しや睡眠導入効果のある音楽をかけることで、寝つきがよくなる場合があるので、自分に合った音楽を選んで活用してみるのもいいでしょう。

髪をドライヤーで乾かす

髪を乾かさないまま眠ると、首元が冷えて交感神経が活発になり、睡眠を妨げてしまいます。特に髪の長い人は、ドライヤーでしっかりと乾かすようにしましょう。

寝る前にコップ1杯の水を飲む

睡眠中は発汗することにより体温が下がり、熟睡することができます。そのため就寝前は水分補給を行い、汗をかいても大丈夫なようにしておきましょう。ただし、水は冷えたものではなく常温のものを選びましょう。

テレビやスマートフォンは見ない

就寝前にテレビやパソコン、スマートフォンなどを見ると、脳に刺激を与えてしまうため、興奮して眠れなくなってしまいます。眠る前には、何度も読んだことのある本を読むことがおすすめです。既視感のあるものは脳への刺激が少ないため、入眠がスムーズに行えるといわれています。

良い香りをかぐ

嗅覚は脳に強く作用するため、「良い香りをかぐ」ことで心身をリラックスさせることができます。香りの種類は、自分の好みのもので問題ありませんが、どれを選べば良いか迷うという人には、ラベンダーやローマンカモミールなどの甘いハーブ系アロマがおすすめです。また、容器にコーヒーの生豆や粉末を入れて枕元に置いておくのも、安静効果があります。

悩みや不安事はメモ帳に書き出す

布団やベッドに入っても、翌日の仕事や悩み事が頭を占領して眠れないという場合は、メモ帳にその内容を書き出してみましょう。
書く内容は簡単な単語だけでもかまいません。ペンや鉛筆を動かしながら、頭の中の悩みを外に出すことが大切です。

就寝前に照明を暗めにする

強い光は脳の交感神経を活発にさせて、入眠を妨げてしまいます。
就寝前は照明を、間接照明や暖色系の照明に変え、目にあまり刺激を与えないようにしましょう。また、パソコンやスマートフォンのブルーライトも見るのも避けるようにしましょう。窓に紫外線防止フィルム・防犯フィルムなどを貼って、部屋を暗くするのもおすすめです。

睡眠の質を高めたいなら寝具にもこだわろう

睡眠の質とマットレスとの関係

質の良い睡眠を取るには、背骨のSカーブが立っているときと同じ形を保持することが大切です。そのため、マットレスは横たわった時に沈み込みすぎたり、かたすぎないものを選ぶ必要があります。自分の身体の凹凸に合っているかどうかを、実際にお店で確認してみるのがいいでしょう。

適切なマットレスの硬さ

低反発
睡眠中にあまり動かない人や、ショートスリーパー(睡眠時間が3~4時間の人)に適しています。
高反発
筋肉質の人やアスリートの人に適しています。
やわらかめ
スリムな人に適しています。
中くらい
標準体型の人に適しています。
硬め
がっちり体型の人に適しています。

睡眠の質と枕との関係

枕の高さは、高すぎるのも低すぎるのもよくないとされています。起床時の枕のへこみが大きかったり、頭が枕から落ちている場合は、身体に合っていない可能性があります。枕は、首までしっかりとホールドできるものが良いとされるため、まずは自分に合った枕の高さを見つけましょう。実際にお店で寝てみて高さを確認してみるのがおすすめです。

また、寝返りを打っても頭がずり落ちない大きさのものを選びましょう。通気性や吸湿性の良いものもおすすめです。

部屋を静かにする

寝室の音が40デジベル(図書館の環境音程度)を超える場合は、カーテンを遮音・遮光の物に変えるなどして、静かな部屋を作ることがおすすめです。

睡眠の質を高めるメリットは?

疲労回復効果
睡眠中に分泌される成長ホルモンは、新陳代謝を高め、目覚めを良くしてくれる効果があります。
集中力、学習機能の向上
熟睡することにより頭がスッキリして、集中力の持続時間が向上します。
また、質の良い睡眠をとることができれば、睡眠時間をある程度短縮することができます。
ストレスの低減
不眠によるストレスは、質の良い睡眠を取ることでしか解決できないため、しっかりと眠ることが大切です。
免疫力の向上
良質な睡眠をとることにより、身体をしっかりと休め、免疫力を高めることができます。逆に睡眠不足により免疫力が低下すると、様々な病気にかかるリスクが高まります。
カロリーの消費量が上がる
睡眠中に分泌される成長ホルモンは、蓄積された脂肪を分解する作用があります。
良質な睡眠をとると、一晩に約300kcalの脂肪を分解できるといわれています。
美肌・美髪をつくる
睡眠中に分泌される成長ホルモンは、脳の修復や筋肉・骨の細胞を増やす効果があります。また、肌や髪の毛のダメージを修復する働きもあるため、肌のキメを整えたり髪の毛の艶を出す効果も期待できます。

おわりに:就寝前の行動や寝具の見直し、できるところから改善を

睡眠の質を改善すると、疲労回復効果や集中力・学習機能の向上、ストレスの低減などの様々な良い効果が期待できます。枕を買い換える、朝日を浴びる習慣をつける、寝室の環境を整えるなど、まずはできるところから改善していきましょう。

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