肝硬変の薬「アミノレバン®」とは? 治療上どんな効果がある?

2018/6/25

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

肝硬変の患者さんに処方されることのある薬に、「アミノレバン®」というものがあります。今回はこのアミノレバン®について、得られる治療効果や服用時の注意点などを解説していきます。

肝硬変の薬「アミノレバン®」とは

アミノレバン®は、分岐鎖アミノ酸(BCAA)製剤の一種です。BCAAはバリン、ロイシン、イソロイシンからなるアミノ酸群で、筋肉でエネルギー源となったり、アンモニアを無毒化したり、肝臓でタンパクを合成する材料になったりと、生命維持活動には欠かせない必須アミノ酸です。

肝硬変患者は顕著なBCAA不足に陥っています。なぜなら、肝臓はタンパク質を合成する役割を担っているからですが、肝硬変によって肝機能が低下するとこの役割を十分果たせなくなり、タンパク質の一種であるアルブミンが不足するようになります。すると体内では肝臓の代わりに筋肉を使い、アルブミンを生成しようとします。このときに使われるのがBCAAです。

また、肝臓には栄養を貯蔵するという役割があるのですが、肝硬変になると栄養が貯蔵できなくなり、エネルギー不足に陥ります。すると肝臓の代わりに筋肉でエネルギーを作るようになり、このときもBCAAが消費されます。
そして肝臓は、アンモニアなどの有害物質を解毒・分解する役割も担っていますが、肝機能が低下すると代わりに筋肉でアンモニアを解毒するようになるために、さらにBCAAを使うようになります。

これらの理由で、肝硬変治療では分岐鎖アミノ酸(BCAA)製剤の服薬が必要になります。

肝硬変の治療薬「アミノレバン®」の効能

分岐鎖アミノ酸(BCAA)製剤にはいくつか種類がありますが、アミノレバン®はBCAAだけでなくその他のアミノ酸やビタミン、ミネラルも含まれているため、肝硬変に伴う栄養不足の改善に適しています。アミノレバン®の中でよく処方される散剤のアミノレバン®ENでは、タンパク質や脂質、糖質、ビタミンなども含まれており、1包につき213kcalあります。

また、BCAAの摂取は肝硬変の合併症の一つ・肝性脳症の発症予防にも欠かせないものです。肝性脳症は、肝機能の低下に伴い体内にアンモニアが蓄積したことで、意識障害などが起こる症状ですが、BCAAにはアルブミンを合成し、筋肉内のアンモニアを分解する作用もあります。

アミノレバンEN®の服用方法

アミノレバンEN®は、服薬の前に以下の手順で調整を行う必要があります。

  1. 専用容器の180の目盛まで、水かお湯(約50℃)を入れる
  2. アミノレバンEN®1包(50g)を入れる
  3. フタを閉め、容器を上下によく振って中身を溶かす
  4. コップなどに移して飲む

独特の苦味があるため、飲みにくい場合は水の量を調整したり、ストローを使って飲んだり、ジュースと混ぜて飲むなど工夫が必要です。ただし、生のフルーツジュースは混ぜると固まることがあるので避けましょう。そしてジュースと混ぜる際は、カロリーの過剰摂取にも注意が必要です。

なお、細菌繁殖の危険性があるため、専用容器は毎回洗ってきちんと乾燥させてください。飲みきれない場合は冷蔵庫で一時的に保存し、少しずつ飲んでも構いませんが、調整後10時間以内には飲みきるようにしてください。

おわりに:アミノレバン®は栄養補給に欠かせない薬

肝硬変になると体内ではBCAAが不足しますが、アミノレバン®はBCAAを補うだけでなく、ビタミンなどの栄養素を補給する効果もあります。エネルギー不足の改善や肝性脳症の予防のために必要な薬なので、調整方法をしっかり理解した上で服用を続けていきましょう。

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