補聴器の電池にはどんな種類がある? メーカーごとの違いや寿命も解説

2018/6/18

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

耳あな型、耳かけ型など補聴器にはさまざまな種類があるのと同様に、補聴器の電池にもいくつかの種類があります。今回はそんな補聴器の電池の種類やメーカーごとの違い、電池寿命の差について解説していきます。

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補聴器の電池にはどんな種類がある?

補聴器の電池は、空気電池という特殊なボタン電池です(ポケット型補聴器のみ、アルカリ単4電池を使用するものもある)。空気中の酸素を使って発電するタイプの電池で、シールを剥がすと電池の空気孔から酵素が取り込まれて機能するようになります。

なお、補聴器には普通のボタン電池も入りますが、補聴器はそもそも空気電池用に設計されています。普通のボタン電池では電圧が違い、本体が故障する恐れもあるので使用しないでください。「空気電池」「水銀フリー空気電池」「補聴器用空気電池」「Zinc Air」などと表記されている電池であれば使用可能です。

空気亜鉛電池には以下の4種類があり、補聴器の電池サイズに合わせて購入する必要があります(メーカーによって名称が違う場合もあります)。

PR536(10)

黄色のパッケージ。サイズ5.8×3.6mm。主にIICやCICなどの耳あな型補聴器に使用。

PR41(312)

茶色のパッケージ。サイズ7.9×3.6mm。カナルやハーフなどの耳あな型補聴器や、小型サイズの耳かけ型補聴器に使用。

PR48(13)

オレンジのパッケージ。サイズ7.9×5.4mm。フルサイズの耳あな型補聴器や耳かけ型補聴器に使用。

PR44(675)

青いパッケージ。サイズ11.6×5.4mm。パワーの強い耳かけ型補聴器に使用。

なお、これらのパッケージカラーは世界共通のため、旅行先で電池が切れても同じ色の電池を購入すれば問題ありません。

補聴器の電池、メーカーごとの違いは?

補聴器の電池は、シーメンス、パナソニック、ソニー、オムロンなどさまざまなメーカーから販売されていますが、実は中身はほぼ同じです。こうした大手メーカーが取り扱っている空気電池の大半は、パワーワン®やレイオバック®などの電池のパッケージを替えて販売しているものになります。

つまり、どのメーカーのものを買ってもそこまでの差はありません。ただし、あまりにも安い電池は品質が不安定なため、補聴器メーカーが推奨している電池を購入されることをおすすめします。

補聴器の電池寿命は種類ごとに違う?

補聴器の電池寿命は、種類によって以下のように異なります。

PR536(10) 約5〜6日
PR41(312) 約1週間
PR48(13) 約2週間
PR44(675) 約3週間

ただし、電池の寿命は補聴器のタイプや使用時間、使用環境によっても異なります。特に以下の環境では寿命が短くなりやすいので要注意です。

  • 二酸化炭素が多い環境(部屋が乾燥している、暖房がついているなど)
  • 気温5℃以下の環境
  • 夏場など、汗が電池内に入った場合(プラス極とマイナス極が繋がってショートし、電池消耗が激しくなる)

また、空気電池は一度シールを剥がしてしまうと、空気穴から空気が入ることで使用していなくても少しずつ放電をしていきます。シールを剥がしたら、補聴器を使い続けて電池を使い切るようにしてください。使用しないときにはシールを貼り直すと、多少長持ちするようになります(他の粘着テープを貼ると、不具合の原因となるので避けてください)。

おわりに:環境によっては電池寿命が縮むことも。特性を理解しておこう

補聴器の種類ごとに、買うべき電池のタイプは異なります。大手メーカーの電池であれば、どれを購入しても品質に差はありませんが、使う環境によっては表記よりも電池寿命が短くなってしまうこともあります。空気電池の特性を理解し、うまく長持ちさせましょう。

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