記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/4
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
よく眠れない、寝つきが悪いなどの症状に陥ったとき、睡眠改善薬や睡眠導入剤などの薬を利用することがありますが、この睡眠改善薬や睡眠導入剤には、どんな違いがあるのでしょうか?
それぞれの違いや服用時の注意点などについて、解説していきます。
睡眠改善薬と睡眠導入剤の違いは、それぞれの薬が対象とする「症状」と「入手方法」によって説明することができます。
症状と入手方法から見る睡眠改善薬と睡眠導入剤の違いは、以下の通りです。
また、効き目においては一般的に「睡眠薬」と呼ばれることもある睡眠導入剤よりも、睡眠改善薬の方が緩やかで、自然に近い入眠が期待できるという効果の違いもあります。
比較的効き目が緩やかな睡眠改善薬ですが、それでも連続使用は基本的には2~3日程度にとどめ、長期間の連続服用は避けるべきとされています。
連続2~3日以上の睡眠改善薬の連続服用を避けるべき理由は、以下の通りです。
一般的に、睡眠改善薬の対象となる「一時的な不眠症状」は3日までの連続的な不眠のことを指し、それ以上の日数まで症状が続く場合は、慢性的な不眠の可能性が高いです。
また、薬の成分そのものに耐性ができるため、製薬会社を変えて別の睡眠改善薬を服用しても、3日目以降の効果を得られないという状況は変わりません。
いずれにしても、睡眠改善薬は長期的に常用するための薬ではありませんので、症状の改善程度にかかわらず3日以上の連続服用は避けるようにしてください。
ドラッグストアなどで買えるOTC(一般用)医薬品である睡眠改善薬と、医師の処方なしでは入手できない睡眠導入剤では、基本的な作用が異なります。一緒に服用すると、お互いに作用しあって思わぬ副作用や異常事態を招く可能性も考えられますので、大変危険です。
もし、すでに医師から睡眠導入剤の処方・服用の指示を受けているなら、睡眠改善薬は服用せず医師の指示にしたがって、睡眠導入剤の方を服用するようにしましょう。睡眠改善薬と睡眠導入剤の同時服用は、絶対にしないてください。
睡眠導入剤の他に、睡眠改善薬との同時服用を控えるべき薬としては、以下のようなものが挙げられます。
上記はいずれも、睡眠改善薬の一部成分と混合することにより、睡眠誘発の作用が異常に強く現れたり、口が乾くなどの副作用が強まるリスクのある薬です。
安全のために睡眠改善薬との併用は避けるようにし、万が一睡眠改善薬の服用中に上記薬を服用する必要が出てきた場合は、ただちに医師に相談しましょう。
名前だけを見ると似たような印象を抱きがちな「睡眠改善薬」と「睡眠導入剤」ですが、その成分や作用、対象とする症状、入手方法に至るまでさまざまな違いがあります。
特に睡眠改善薬の服用においては、連続の服用期間と他の睡眠導入剤・薬との飲み合わせに注意が必要です。睡眠導入剤に比べ効き目が穏やかで、入手も簡単なOTC医薬品である睡眠改善薬ですが、用法・用量と注意事項をきちんと守ったうえでの服用を心がけましょう。