記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/23
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
ダイエットを始めたときに限って、飲み会やバイキングに誘われることが多くなることってありませんか?あるいは、夜中まで友だちと遊んだときに、ラーメンを食べて帰ろうと誘われることは?ダイエットの成果をムダにしたくない、でも、自分の一言で雰囲気を壊してしまうのはイヤ……と悩むかもしれません。こうしたダイエット中の誘惑はいたるところに潜んでいます。だからこそ、どう対処するかという方針をあらかじめ決めておくことが大切なのです。
ダイエット中なのに食欲が抑えられなくなるきっかけは、至るところに潜んでいます。仕事の疲れやストレス、子どもの食べ残しなどはごく一部に過ぎません。また、お酒をたった1, 2杯飲んだだけでも、油っぽくて味が濃いおつまみが止まらなくなってしまうことがあります。
ダイエット中の食欲を抑えるためには、どのような工夫をすればよいのでしょうか。以下にいくつかヒントをご紹介します。
甘いものやお酒など、ダイエット中に控えたほうがいいものも、ほんの少しであれば食べても構いません。大切なのは、自分で決めた量で食べるのをやめることです。
そこで、たとえば甘いものであれば、1週間の中で食べていいのは小袋パックのもの1袋だけ、お酒であればビールをコップに1杯だけなど、食べたり飲んだりした量が具体的に把握できるようにしておきます。そして、いったんその量を決めたら、それ以上は口に入れないようにするのです。
無性に食べたくなるきっかけを自覚できると、食欲を抑えやすくなります。たとえば、ストレスを強く感じると食欲を抑えられなくなるなら、代わりにマニキュアを塗ったり、散歩に行ったりして、食べ物のことを考えずに済むようにしてみましょう。
また、周りの環境も食欲を抑えられなくなる要因になることがあります。たとえば、映画を観にいくと、ポップコーンの甘い香りにつられて食べたくなってしまうことはありませんか?映画に行く日は、あらかじめ健康によい食べ物を食べてから映画館に行くようにすると、甘い誘惑に打ち勝つことができます。
事前に方針を立てることは、厳密にカロリー計算をしたり、絶対に甘い物やお酒は口にしない、と決めたりすることとイコールではありません。むしろ、厳しい食事制限を自分に課してしまうと、たった一度ルールを破って食べてしまっただけで「失敗」と決め付け、その結果、ダイエットをあきらめてしまいやすいのです。
人からお菓子やお酒を勧められたとき、毎回断る必要はありません。ただし、その場で食べてしまったら、そのあと数日かけて食べ過ぎた量のカロリーを減らして調整するようにしてください。
何を食べるか、食べないかを決めるのはあなた自身です。感情のおもむくままに食べるのではなく、食べる前に一度手を止め、自分がこれから口に入れようとする食べ物のことをしっかり意識した上で、食べるかどうかを決めてください。食べる前にいったん考えることで、食べすぎを防ぐだけでなく、食べた後どのように調整するかを考える余裕がもてるようになります。
ダイエット中の誘惑を乗り越えるためには、事前に誘惑に対処するための方針を立てておくことが大切です。でも、方針を立ててもうまくいかないこともあると思います。そのときは、ダイエット失敗だとあきらめるのではなく、どう対処すればよかったかを振り返りましょう。失敗から学べることはたくさんありますし、次にその行動をとらなければ、ダイエットは成功します。思うようにいかないことがあってもあきらめず、次の糧として受け止め、明日からまたがんばりましょう。