不安障害の治し方って、薬を使う方法のほかに何があるの?

2018/6/19

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

日常生活に支障が出るほど不安や恐怖が大きくなる症状を不安障害といいます。特定の状況や行動に対して発作が起こるのが特徴です。治療にはある程度の期間が必要といわれていますが、治療はどのように進めていくのでしょうか。
この記事では、不安障害の治療で重要になってくる薬物療法と精神療法について解説していきます。

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不安障害の治し方①:薬を使った治療(薬物療法)

不安障害の治療には薬が使用されますが、主に使われるのが抗不安薬と抗うつ薬です。

抗不安薬
抗不安薬は不安を軽減させる効果があり、即効性があるのが特徴です。また、不安を軽減させるだけでなく筋肉の緊張を弛緩させる効果や催眠作用、鎮静作用も効果も期待できます。ただし、長期服用すると依存性のリスクが高まるというメリットがあります。
抗うつ薬
抗うつ薬はセロトニンの濃度を高める働きがあります。セロトニンとは神経伝達物質の一つで、脳内での濃度が高くなると不安や恐怖が抑えられます。
抗うつ薬には即効性がなく効果が出るまでは一定期間の服用が必要になりますが、依存性が少ないところがメリットです。

上記の薬は全ての不安障害に同じような効果が期待できるわけではありません。主にパニック障害への効果が期待できるとされ、その一方で、社会恐怖や強迫性障害は改善されにくいと考えられています。症状によって薬物療法が有効な場合とそうでない場合があります。

薬物療法を受けるときは、医師の指示通りに服薬を続けることが重要です。自己判断で勝手に服用を中止すると症状が再発するリスクがあり、医師の指示された量を無視して多めに飲んだり薬の中止を指示されたのに薬を飲み続ければ、依存症のリスクが高まります。医師の指示は必ず守りましょう。
また、薬物療法だけで不安障害を治そうせず、薬は補助的な立ち位置として考えるようにしましょう。

不安障害の治し方②:薬を使わない治療(精神療法)

精神療法は、医師や臨床心理士とのカウンセリングで不安や恐怖に対しての考え方や対応方法を変えていく治療です。精神療法は薬物療法と並行して進められることが多く、主に認知行動療法が使われます。

認知行動療法

認知行動療法とは今まで自分が感じていた不安や恐怖の感じ方について客観的に見直しながら治療をすすめていきます。治療の過程のなかで、自分が今までしていた考えや感じ方について新しい行動パターンを定着させていくことで不安や恐怖へ対応できるようにしていきますが、急に新しい行動パターンに変えさせるようなことはしません。無理のないかたちで、徐々に回避していた状況に慣れさせていきます。

おわりに:無理なく不安障害の治療

不安障害とは、不安や恐怖押し寄せてきてパニック発作などの症状が現れる障害です。なかには日常生活に支障をきたすほど強い発作が出る人もいます。
治療には薬物療法と精神療法があり、その人の状態やライフスタイルにあわせて組み合わせながら治療が進められていきます。

すぐに治療できる疾患ではありませんが、治療と仕事を両立できている人もいますので、無理ない範囲で気長に続けていくことが回復の糸口になるでしょう。

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