風邪のひきはじめに葛根湯をすすめられる理由は?効果的な服用方法は?

2018/6/20

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「風邪のひきはじめには葛根湯」というフレーズを一度は耳にしたことがあるかと思いますが、なぜ風邪の初期には葛根湯がいいのでしょうか。葛根湯の効能や効果的な服用タイミングについて解説します。

風邪のひきはじめに葛根湯がいいのはなぜ?

「葛根湯」は、「麻黄(まおう)」「葛根」「生姜」「桂枝」「芍薬」「甘草(かんぞう)」「大棗(たいそう)」の7種の生薬が合わさった漢方薬で、身体を温めて発汗させることで解熱するメカニズムをもっています。

風邪をひくと、身体がウイルスの増殖を防ごうと免疫細胞を活性化させるため体温が上がり、ウイルスが撃退できると発汗して体温をもとに戻そうとしますが、風邪が長引き高熱が続くと激しく体力を消耗してしまいます。

そこで、葛根湯をウイルスが体内深くに侵入する前に服用すると、身体を温めて免疫力を高めることでいち早くウイルスを撃退することが可能なうえ、発汗を促進することで解熱効果も期待できます

また、免疫細胞とウイルスが闘い始めると、のどの痛みや倦怠感のような炎症症状が出ますが、葛根湯には炎症を抑え症状を改善する働きもあります。症状が進んでしまった場合には、発熱によるウイルスの撃退をサポートしてくれます。

風邪かも、と思ったときに葛根湯を飲むタイミングは?

葛根湯の効能を発揮させるには、服用のタイミングが重要です。もっとも効果を発揮するのは、風邪の初期段階です。鼻やのどに違和感が起きたり悪寒を感じるなど、風邪かなと思ったときにすぐに服用すると良いでしょう。

ただし、葛根湯は「もともと健康で体力があるが身体の調子を崩した人」に向けた漢方薬で、体力が低下している人やすでに汗をかいている人には向いていません

風邪のひきはじめって、喉や鼻がどうなる?

風邪のひきはじめの前兆として、くしゃみや鼻水が出る感じ、喉が少し変、といったちょっとした身体の違和感があります。風邪をひいてくしゃみや咳をしている人との接触があった場合には、特にそのような小さな変化に気をつけることが大切です。

ウイルスは1回のくしゃみで約200万個、咳で約10万個飛散するといわれています。風邪のひきはじめには、ウイルスが鼻や口から侵入しようとするのを、鼻毛、皮ふ、鼻や口、喉などの粘膜が物理的なバリアーとなって外に追い出そうとすることで、くしゃみや鼻水、咳などがでます。それでもウイルスが体内に侵入してしまうと、「自然免疫」が働いてウイルスを食べてしまうことで防ごうとします。

それもすり抜けてしまったウイルスは、「獲得免疫」が攻撃をして退治することになりますが、こうした免疫機能が働いているときには炎症が生じることがあり、それが喉の痛みや関節の痛み、倦怠感といった症状としてあらわれます。また、免疫細胞は体温が高いほど活性化されるので、ウイルスを攻撃しているときには発熱が起こり、風邪の症状が出ることになります。

おわりに:風邪をひいたかなと思ったら、早めに葛根湯の服用を

風邪の原因のほとんどはウイルスで、ウイルスが強い種類であったり身体への侵入度合いが深いと、風邪の症状も重くなり発熱で体力も奪われてしまいます。風邪は身体への侵入が浅いひきはじめのうちに治すことが大切です。葛根湯は、体力のあるひきはじめに服用することで、身体を温め免疫細胞を活性化させ、いち早くウイルスを撃退する効果を発揮します。風邪をひいたかなと思ったら、すぐに服用するようにしましょう。

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