記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/26 記事改定日: 2020/4/14
記事改定回数:2回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
鉄欠乏性貧血の症状の一つとしてむくみがありますが、なぜ貧血でむくみが起こるのでしょうか?また、貧血やむくみが病気のサインの可能性もあるのでしょうか?
この記事では、鉄欠乏性貧血とむくみの関係性と対処法について解説していきます。
鉄欠乏性貧血になると、酸素を含むヘモグロビンの心臓への供給量が不足します。すると、心臓が酸欠状態になってポンプ機能が低下するため、血流量や呼吸量が増して動悸や息切れが発生します。
また、心臓の血液の巡りが悪くなると、毛細血管などの細い血管にある血液が心臓まで戻ってきにくくなるので、むくみもでやすくなります。鉄欠乏性貧血のむくみは、とくに下半身に出やすいといわれています。
鉄欠乏性貧血では、体内に酸素を運ぶ働きを持つ「ヘモグロビン」が減少するため、次のような症状が現れます。
そのほか、鉄欠乏性貧血は冷たい氷が食べたくなるといった味覚の異常や、爪の中心部が凹む「スプーン爪」と呼ばれる特徴的な身体所見が生じることがあります。
また、鉄欠乏性貧血が長期間に渡って放置されると、心臓に負担がかかって心不全を引き起こすこともあり、むくみ、夜間の咳・呼吸困難感などの症状が現れることもあるため注意が必要です。
上記の項目に当てはまるものが多い方はできるだけ早めに病院を受診するようにしましょう。
鉄欠乏性貧血によるむくみを根本的に改善するには、鉄欠乏性貧血自体を治療して心臓のかかる負担を軽減する必要があります。
また、日常生活の注意点としては、体内に水分が溜まりやすい状態となっていますので塩分の多い食事を控える、利尿作用のあるカリウムを多く含む食品を積極的に摂る、過剰な水分摂取を控えることなどが挙げられます。
足のむくみがひどい時は加圧ソックスを着用したり、ふくらはぎのマッサージや足を高くして寝るようにしましょう。
むくみが生じるような重度な貧血は何らかの病気が背景にある可能性があります。具体的には以下のような病気が考えられます。
とくに、一日を通してむくみがあり、夜間に息切れや咳などの症状がある場合、めまいや息切れなどの症状が強く日常生活に支障を来たす場合、黒色便や血便、月経過多などの症状がある場合は上記のような病気の可能性がありますのでなるべく早めに病院を受診するようにしましょう。
貧血やむくみは身近な症状ですが、まれにがんや白血病、腎臓病などの病気が原因のこともあります。
特徴的な症状があるときは、たかがむくみ、たかが貧血を軽く考えず、一度病院で診てもらうようにしましょう。