記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/30 記事改定日: 2019/8/8
記事改定回数:2回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
手掌紅斑は、特に思い当たる原因がないのに不自然に手のひらが赤くなってしまうことです。肝硬変など、さまざまな病気のサインとして現れることが多いといわれていますが、それはなぜでしょうか。手掌紅斑の原因と特徴、病院に行くべき理由について解説します。
手掌紅斑(しゅしょうこうはん)とは、手のひらが赤くなってしまうことです。この赤みは突然に、思い当たることがないのに発症します。手のひらを圧迫すると赤色は消え、圧迫を止めると再び赤くなり、手を心臓より上に上げると手のひら全体が白くなっていきます。
手掌紅斑の原因はさまざまありますが、病気のサインで現れることも多いです。また、女性の場合は妊娠の可能性があるときにもみられることがあります。
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手掌紅斑は、手のひらの中でも特に母指球(親指の付け根の膨らんだ部分)や、小指球(小指の付け根の膨らんだ部分)に現われることが多いです。手のひら全体が赤くなることはほとんどありませんが、斑点状に現れたり、腫れ上がったり、赤紫色に見えることもあります。一般的に、かゆみや痛みはありません。
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手掌紅斑で手のひらが赤くなるのは、手のひらの外周にある毛細血管の血流量が増加することが原因です。毛細血管の血流量が増加する原因として、下記のようなことが考えられます。
手のひらの毛細血管の血流量が増えるのは血管が拡張するからですが、これは血液中のエストロゲンが増加することが起因していると考えられています。妊娠中も、肝機能障害のときも、血中エストロゲン値は増える傾向にあります。血中のエストロゲンの量が増える原因はほかにもありますので、必ずしも肝機能障害やそのほかの病気が原因というわけではありません。ただ、すぐに治まらない場合は念のため病院で診てもらうことをおすすめします。
妊娠によるものであれば、ホルモンバランスが落ち着けば赤みも引きますが、病気が原因の場合には治療が必要です。病院での検査で原因となる病気を特定してもらい、肝臓の病気、血液の病気、自己免疫疾患など、それぞれの病気に合わせた適切な治療を受けましょう。
また、手のひらが赤くなったものすべてが手掌紅斑というわけでもありません。特に、かゆみや痛みを伴うものは別の皮膚疾患の可能性もありますし、手足口病のような感染症が原因になることもあります。いすれにしても、手のひらが赤くなった原因を明らかにすることが欠かせません。
突然手のひらが赤くなったり、腫れみがれたら、病院で検査受けて適切な治療を受けましょう。