花粉症で熱が出ることがあるって本当?39度の熱が出ることもある?

2018/6/21

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

花粉症で発熱するときにはどのような原因が考えられるのでしょうか?また、39度以上の高熱になることはあるのでしょうか?花粉症に伴う発熱について解説していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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花粉症で熱っぽい症状が出るの?

花粉が喉から侵入して気管に入ると、たんを伴わない乾いた咳が出ることがあります。症状が重い場合は

  • 気管支粘膜の腫れ
  • 喉の痛み
  • 呼吸困難
  • 発熱
  • 倦怠感

などが起こる可能性があるため、注意が必要です。また、皮膚に花粉が付着することにより、肌荒れや耳のかゆみなどが起こることもあります。

なぜ花粉症で熱がでるの?

花粉症で熱が出る原因としては、以下が考えられます。

アレルギー性鼻炎
花粉症により発熱する原因の一つに、鼻が炎症を起こす「アレルギー性鼻炎」があります。
鼻に炎症が生じると、脳への酸素供給がうまくいかなくなるため、自律神経の乱れによる頭痛や発熱が起こります。
体の防御反応
花粉症が鼻や口から侵入した際に、体が花粉を異物と認識すると、体外に排出するために防御反応が起こり、発熱することがあります。
免疫力の低下
花粉症の症状が続くと、花粉に抵抗するために体力を消耗するので、免疫力も同時に低下します。それにより体は体温を上昇させることにより免疫力を高めようとするので、発熱が起こることがあります。

花粉症で39度の熱が出ることってある?

花粉症による発熱は37度程度の微熱の場合が多く、38度以上の熱が出ることはあまりありません。そのため39度以上の高熱が続く場合は、風邪やインフルエンザなどが考えられます。

発熱には解熱剤による効果がある程度期待できるので、症状が辛い場合は病院で薬を処方してもらうことも可能です。また、花粉をなるべく体内に入れないことも大切なため、花粉症対策も欠かさず行いましょう。

この熱は花粉症?風邪?と迷ったときは

風邪との違い

抗体の量
花粉症と風邪を確実に見分けるために、血液検査が行われることがあります。
花粉症の場合は、花粉症に対する抗体ができるため、その量を確認します。
くしゃみ、鼻水
花粉症の場合は激しいくしゃみが連続的に起こり、無色の水っぽい鼻水が出ます。
風邪の場合は、発症から3~4日以降になると粘性が高い黄・黄緑色の鼻水が出るとされています。
発熱
花粉症により発熱はまったく症状がないか、微熱の場合がほとんどです。そのため、38度以上の高熱がある場合は風邪やインフルエンザの可能性があります。
目のかゆみ
花粉症では目のかゆみが頻繁に起こりますが、風邪の場合はほぼ起こりません。
持続期間
風邪やインフルエンザの症状は6~10日ほどで治まりますが、花粉症の場合は2ヶ月~3ヶ月以上続き、毎年同じ時期になると症状が発生します。

インフルエンザとの違い

インフルエンザの特徴として、38度以上の高熱、寒気、呼吸器症状などが挙げられます。

ただ、花粉症により発生する、鼻水・鼻詰まり・くしゃみなどの症状は、風邪によっても起こりますし、スギ花粉が飛散を開始する1月初め頃はインフルエンザの流行期でもあります。そのため、自分で症状の原因を特定することが難しい場合は、医療機関を受診して診察を受けるようにしましょう。

おわりに:39度以上の発熱は風邪やインフルエンザの可能性が高い

花粉症で発熱する場合は、アレルギー性鼻炎や免疫力の低下などの原因が考えられます。また、花粉症による発熱は37度程度の微熱のため、39度以上の高熱が続く場合は、風邪やインフルエンザなどが疑われます。鼻水・鼻詰まり・くしゃみなどの症状は、風邪やインフルエンザでも起こるので、原因の特定が難しい場合は、医師の診察を受けましょう。

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