筋肉痛に効く湿布はどれ? 成分に注目しよう

2018/6/21

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ひさびさの運動の後で、足腰の筋肉痛に悩まされたという経験は誰でも一度はあることでしょう。そんな筋肉痛を緩和するために「湿布を貼る」という方法がありますが、湿布にはさまざまな種類があり、含まれている成分には違いがあります。そこで今回は、湿布に含まれる成分のうち、特に筋肉痛に効くと考えられるものをご紹介します。

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湿布にはどんな成分が含まれている?

筋肉痛に効く湿布を選ぶ際には、その湿布の成分に注目する必要があります。まず、湿布に含まれる主な成分としては以下のものが挙げられます。

サリチル酸メチル
植物に含まれている、消炎効果のある成分。冷湿布と温湿布、どちらにも含まれていることがあります。
カプサイシン
温湿布に含まれていることの多い成分。皮膚を刺激し、表面の血管を拡張させて血流量を増加させる作用があります。ヒリヒリとした刺激で感覚神経を鈍化させ、痛みを感じにくくする効果も期待できます。
l(エル)-メントール
冷湿布に配合されていることの多い成分です。もとはハッカやミントに含まれる成分で、清涼剤としてチューインガムなどにも使われています。皮膚にスーッとした感じをもたらしますが、清涼感をもたらしているだけで、患部を冷やしているわけではありません。
その他
インドメタシン、ロキソプロフェン、イブプロフェン、フェルビナク、ジクロフェナク、ケトプロフェンなど。これらは非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれる、鎮痛効果や消炎効果の高い成分で、これらを含んだ湿布は「第二世代」と呼ばれます。プラスター剤(肌色のテープ剤)は、この第二世代の湿布であることが多いです。

筋肉痛にはどの成分入りの湿布がいいの?

筋肉痛に特に効くと考えられるのは、インドメタシンやフェルビナクといったNSAIDsを含む第二世代の湿布です。

そもそも筋肉痛の詳しいメカニズムはよくわかっていない部分が多いのですが、激しい運動によって筋肉が損傷し、それによって発生した炎症物質が周囲の神経を刺激することで痛みが起こると考えられています。筋肉痛の痛みにタイムラグがあるのは、筋肉そのものの損傷ではなく、神経を介して痛みが伝わるまでに時間が掛かっているためとする説もあるのです。

そこで有効なのが、NSAIDsの鎮痛・消炎効果です。炎症物質の生成を抑制し、痛みや炎症の原因物質に作用する効果が期待されます。
ただ、第二世代の湿布は鎮痛効果が高い反面、発疹やかぶれなどの副作用が起こる可能性もあります。1日に貼り替える回数や用法などをきちんと守って使用し、異変があれば使用を中止しましょう。

おわりに:ひどい筋肉痛の緩和には、「第二世代」の湿布がおすすめ

筋肉痛の痛みは、筋肉の損傷によって発生する炎症物質が原因と考えられます。そのため、筋肉痛の場合は、この炎症物質の発生を抑える第二世代の湿布を貼るのが有効とされています。筋肉痛を早く治したい方や痛みがひどい場合は、インドメタシンやフェルビナクなどの成分が配合された湿布を選んでみてはいかがでしょうか。

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