記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/28
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「筋肉痛になったら、患部を冷やすといい」なんて話を聞いたことはありませんか?では、筋肉痛で貼る湿布も、冷たいものの方が鎮痛作用が得られやすいのでしょうか?以降で解説していきます。
湿布には「プラスター剤」と「パップ剤」があり、このうち冷湿布や温湿布に分けられるのは基本的にパップ剤の方です。まずはそれぞれの特徴について軽く説明します。
このうち冷湿布は「患部を冷やす効果があるので、筋肉痛や捻挫などの急性期の炎症に効果的」といわれることがありますが、厳密には冷湿布に筋肉を冷やす作用はないとされています。
冷湿布にはl-メントールという清涼成分が含有されていることが多く、貼ると冷んやりとした感覚が得られるだけというのが事実です。これは皮膚の表面温度はほとんど下がらず、血流に働きかけて筋肉を冷やす効果はほとんどないと考えられています。なお、カプサイシンが含まれている温湿布も、筋肉を温める効果はありません。
冷湿布には、筋肉自体の炎症を冷ます効果はほとんどないと考えられますが、筋肉痛に効かないわけではありません。冷湿布であっても温湿布であっても、同じ鎮痛成分は含まれているため、貼ることでの鎮痛効果は得られるからです。
冷たい湿布がいいか、温かい湿布がいいかは好みによるので、一つの基準として入浴時の感覚に注目するといいでしょう。例えばお風呂に入ったとき、筋肉痛が緩和するのであれば温湿布がおすすめですし、入浴しても痛みが緩和せず、冷やすと気持ちがいい場合は冷湿布がおすすめです。
また、筋肉痛には「第二世代」と呼ばれる鎮痛消炎成分(インドメタシン、フェルビナク、ロキソプロフェンなど)が配合された湿布もおすすめです(先述のプラスター剤のほとんどがこれに該当します)。筋肉痛の原因とされる炎症物質の生成を抑制し、痛みに作用する効果があるとされ、より高い鎮痛作用が期待できます。
冷湿布は貼ると冷んやりしますが、実は皮膚の表面温度を下げているだけで、筋肉そのものの炎症を冷やしているわけではないと考えられています。温湿布も冷湿布も得られる鎮痛作用は同じなので、貼ったときの気持ち良さを一つの基準として決めるといいでしょう。