ロキソニン®︎は筋肉痛に使ってもいいの?超回復の邪魔にならない?

2018/6/20 記事改定日: 2019/3/7
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

高い鎮痛作用があることで人気の「ロキソニン®︎」ですが、ロキソニン®︎は筋肉痛にも効くのでしょうか?市販されている内服薬・ロキソニン®Sや、ロキソニン®Sパップなどの湿布薬の、筋肉痛への効果について解説します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

ロキソニン®︎は筋肉痛に効く?

ロキソニン®︎は頭痛や発熱時の解熱の際に服用する薬というイメージがあるかもしれませんが、市販のロキソニンS®は筋肉痛や腰痛、肩こり痛、関節痛にも有効とされています(病院で処方される医療用のロキソニン錠60mgは、市販のロキソニンS®とは成分の内容と量、添加物などが異なるため、対応できる効能や効果に違いがあるので注意が必要です)。

ロキソニン®の主成分のロキソプロフェンは、腫れや痛みなどの炎症を緩和し、熱を下げる作用がある鎮痛消炎成分です。
血管を収縮・血流量を低下させることで痛みを鎮静化し、患部を冷やして血管を収縮させる「アイシング」と類似の効果が得られると考えられています。

超回復の妨げになる?

傷ついた筋肉細胞を修復するには、血管を拡張させ、筋肉に酸素と栄養を送り込むことも重要です。
この点からいうと、血管を収縮させてしまうロキソニン®︎は、痛みを緩和する一方で筋肉の回復を遅らせるデメリットもあるということになります。

基本的に、ロキソニン®︎などの鎮痛薬は痛みを一時的に抑制するためのもので、根本原因を解決するものではありません。耐えられないほど痛みが辛いときにだけ使うようにしましょう。

湿布薬「ロキソニンS®パップ」「ロキソニンS®テープ」はどう使い分ける?

現在、ドラッグストアなどで湿布薬「ロキソニンS®パップ」や「ロキソニンS®テープ」が販売されています。
いずれも優れた鎮痛消炎効果を持つロキソプロフェンナトリウム水和物が、医療用のものと同量配合されており、痛みの芯まで直接浸透することで痛みを緩和していきます。

大まかな使い分けとして、ロキソニンS®テープは基剤が薄く伸縮性があるため、関節などの可動部位での使用がおすすめです(腰など広い患部には、大判サイズの「ロキソニンS®テープL」がおすすめです)。
一方パップは水分を多く含んでおり、冷感があるため、熱感のある患部への貼り付けがおすすめです。小型なので、特に首などの目立つ部位での使用に適しています。

なお、いずれも鎮痛効果が高い反面、副作用(発疹やかぶれ、胃部不快感など)が出る恐れがあるので、用法・用量を守っての使用が重要です。

筋肉の回復期には、どんな薬に変えればいいの?

筋肉痛を改善するには、ダメージを受けた筋肉を安静に保ちながら回復を促すことが大切です。
ロキソニン®などの鎮痛薬は筋肉痛による痛みを緩和する作用はありますが、痛みが軽減するがゆえに安静に保つことを忘れてしまい、かえって筋肉痛自体の回復を遅らせてしまうことも少なくありません。

このため、筋肉痛で鎮痛薬を使用するのは、あくまでも急性期の強い痛みで日常生活に支障を来たしているような場合に限りましょう。
また、回復期には筋肉を温める温シップや筋肉の再生に必要なアミノ酸などの成分が含まれるプロテインを服用することをおすすめします。

おわりに:高い鎮痛作用を誇るロキソニン®︎。ただし過度の使用には注意が必要

ロキソニン®︎は内服薬でも湿布薬でも、高い鎮痛作用を誇ります。ただし、用法や用量を誤ると副作用を引き起こしたり、筋肉痛の回復が遅くなったりする恐れもあるので、適度な使用を心がけましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

効果(66) 筋肉痛(40) 湿布(4) ロキソニン(28) 効く(11) パップ(1) テープ(2)