記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2024/5/22
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ひさしぶりに運動した後、トレーニングを始めたばかりのころなどの筋肉痛に悩まされた人もいると思います。この記事では、筋肉痛の回復を助けるといわれている食べもの・栄養について、日頃の献立に取り入れやすい料理の紹介も含めて解説していきます。
BCAAとは必須アミノ酸(体内で合成できず、食べ物から補給する必要があるアミノ酸)であり、運動時の筋肉のエネルギー源となる「バリン・ロイシン・イソロイシン」の総称です。この3つのアミノ酸はその形状から分岐鎖アミノ酸と呼ばれ、筋タンパク質中に多く含まれることから、筋肉にとって重要なアミノ酸と考えられています。
BCAAには、筋タンパク質の合成促進や分解の抑制、筋肉の損傷を軽減に役立つといわれており、国内の研究結果から、運動後の疲労感・筋肉痛の軽減にも役立つ可能性があると考えられています。BCAAは、おもに以下の食べものに含まれています。
クエン酸は、お酢や梅干しなどの酸っぱいものに含まれ、運動後の疲労回復や筋肉痛の緩和に役立つといわれています。激しい運動をすると「乳酸(ブドウ糖を分解し、筋肉を動かすエネルギーを生み出すために必要な物質)」が過剰に筋肉に溜まるようになります。すると筋肉が酸性になって固くなり、筋肉の炎症や痛みを起こすようになると考えられています。クエン酸は乳酸の代謝を促す作用があり、おもに以下の食べものに含まれています。
ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える作用があり、筋肉や神経の疲労を和らげることに役立つといわれています。ビタミンB1は、おもに以下の食べものに含まれています。
筋肉痛のときは、以下のような筋肉の回復を促す手軽な料理を、献立に取り入れてみてはいかがでしょうか。
※以下の料理だけで、劇的に回復するわけではありません。
鶏むね肉は、低カロリーで良質なたんぱく質を多く含みます。から揚げにすることで運動した後の空腹感を満たせますし、作り置きできる点でも便利です。カロリーが気になる人は、ノンフライヤーなどを使いましょう。
豆腐は植物性たんぱく質を含み、トマトはビタミン類が豊富です。トマトを豆腐のカプレーゼにすることで、暑い時期にもさっぱりいただけるメニューになります。
冷たいドリンクは、暑さで食欲が低下したときの栄養補給に役立ちます。赤しそをドリンクにすることで、すっきりとした風味を楽しみながらクエン酸を補給できます。
BCAA・クエン酸・ビタミンB1は、運動後の筋肉疲労や筋肉痛からの回復を早めるために役立つとされ、これらを含む食べものを料理に取り入れることで、回復を早められる可能性があります。ただし、特定の食べもの・栄養を極端にとりすぎることはおすすめしません。回復には、栄養バランスを整え、しっかり休養をとることも大切です。必要に応じて医師に相談しながら、健康的な生活を送れるように心がけてください。