記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/25 記事改定日: 2019/2/17
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記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
花粉症の症状で典型的なのが、目のかゆみなどの目の症状ですが、どんな対処法が有効なのでしょうか。
また、花粉症用の目薬と疲れ目用の目薬を併用しても大丈夫なのでしょうか。それぞれ解説していきます。
花粉症は、植物の花粉が原因で引き起こされる、季節性のアレルギー性疾患です。患者数は年々増加傾向にあり、日本国民の25%が花粉症といわれています。
花粉症の主な症状である、つらい目のかゆみですが、かゆみに任せて掻いたりこすったりしてはいけません。かゆみがひどい場合には優しく洗い流しましょう。
目はもともと涙の膜で保護されていますので、市販の人工涙液を使うのがおすすめです。人工涙液とは涙に近い成分になるように作られた点眼薬のことで、使い切りタイプのものが多く、ドライアイなどの乾燥対策に使われています。
また、花粉症の時期によく売り出されるカップ付きの洗浄液は、カップを清潔に保ち、他の人と共有しないようにしましょう。思わぬ感染症になってしまう恐れがあります。
普段コンタクトレンズをしている人は、眼鏡にするのもおすすめです。たとえ1日の使い捨てレンズでもコンタクトレンズを付けていると、目のなかの異物を洗い流すという働きがスムーズにおこなわれません。
コンタクトレンズをつけていても使用できる抗アレルギーの目薬もありますが、この目薬を頻繁に使うよりも眼鏡を使って裸眼の状態でいたほうが、目に優しいといえるでしょう。
また、目の周りには花粉症や目の疲れに効くツボがたくさんあります。ちょうど眼鏡の鼻あての部分にあたる、目頭のくぼみをゆっくりと押し込むと、花粉症の症状に効果的とされます。
花粉症に効く薬には抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬があります。一般的には副作用の少ない抗アレルギー薬が第一に使用され、効果がない場合に抗ヒスタミン薬が使用されます。
いずれも花粉症による鼻水や鼻詰まりなどの鼻炎症状を改善する効果がありますが、花粉症の代表的な症状の一つである「目のかゆみ」や「涙」には効果が現れにくいことがあります。
目の症状が強い場合は、医師や薬剤師に伝え、有効成分が含まれた点眼薬を処方してもらうようにしましょう。
花粉症のように特定の季節のみ、目にあらわれる症状を季節性アレルギー性結膜炎と呼びます。目の異物感や、目やに、涙、充血が特徴です。
アレルギー性結膜炎の治療は、抗アレルギー点眼薬を用いた薬物治療をおこなうことが一般的です。さらに、花粉が原因のような発症の時期が予想できるアレルギー性結膜炎の場合には、初期療法がおこなえます。花粉が飛び始める2週間くらい前から、または症状があらわれはじめたら抗アレルギー点眼薬による治療を開始すると、花粉のピーク時に症状が軽くなります。
目薬での治療はもちろん、アレルゲンとなる花粉に触れないようにすることも大切です。外出時にマスクや眼鏡をしたり、帰宅時には衣類や髪についた花粉を払い落としたり、洗濯物や布団を取り込む際には払い落としてから取り込むようにしましょう。
デスクワークなどによる疲れ目に、目薬を使用したことのある人も多いでしょう。しかし花粉による症状の緩和のために抗アレルギー薬を使っているのに、疲れ目で別の目薬を使うことはおすすめできません。複数の目薬を使ってしまうと、重複した成分で目を傷つけてしまうことになりかねないからです。
医師に処方された場合には当てはまりませんが、自己判断で2種類以上の目薬の併用はやめましょう。
花粉症の患者は年々増加していますが、正しい治療をおこなうと症状を軽くすることができます。毎年花粉症がひどい人は、症状があらわれる前に医療機関を受診するのがおすすめです。
アレルゲンに触れないように日常生活で気を付けることも大切ですが、つらい時には我慢せず、医師に相談しましょう。