記事監修医師
工藤内科 副院長 工藤孝文先生のスマホ診療できるダイエット外来
工藤 孝文 先生
はっきりした体の変化が現れない「かくれ脱水」は、なかなかサインに気づけないため対処が遅れて重症化してしまうことがあります。
ここでは、かくれ脱水のチェック方法と脱水・熱中症の予防方法について解説しています。熱中症も脱水症は暑い夏の屋外だけに起こるわけではありません。室内での予防法も紹介しているので参考にしてください。
かくれ脱水とは、はっきりした症状が出ない発見しにくい脱水症のことです。
通常の脱水症は、ひどくのどが渇いたり、吐き気やめまい、情緒・感情の変化などの症状が現れますが、かくれ脱水の場合は、口のなかがねばついたり、便秘気味だったり、夏バテのような疲労感など、一見関係ないような変化しか起こらない傾向があるという特徴があります。
自分の体調の変化に鈍い人だと当然気づけませんし、外見の変化が出にくいので周囲の人もなかなか気づけません。
かくれ脱水は脱水症の前段階のようなものなので、放置すると症状が進み脱水症に陥り、重症化してしまうおそれがあるので注意が必要です。
脱水症は、ひどくならないうちに早めに対処することが大切であり、この点はかくれ脱水も同様です。
かくれ脱水にいち早く気づけるためのチェックリストを紹介するので、体調が優れないと感じたときなどにチェックしてみましょう。
体の変化のチェックと環境のチェックのどちらとも、ひとつでも当てはまるようなら、かくれ脱水の可能性があります。
脱水症に進行させないためにも、こまめに水分補給をして、暑いところや直射日光が当たる場所に長時間いないようにするなどの対策をとってください。
とくに高齢者や子供、糖尿病や心臓病、高血圧などの持病がある人は脱水症が悪化しやすいといわれているので早めに病院に相談しましょう。
熱中症は、体の水分と電解質(塩分)のバランスが崩れてしまい、体温調節ができなくなることでも発症します。つまり、脱水症が進めば熱中症になってしまうことがあるということです。
熱中症は
が予防の基本になるので、脱水症の予防と共通しています。
外でしかならないと思われがちな熱中症ですが、条件がそろえば室内でもなってしまう可能性があるのです。
室内で過ごすときも
などの予防対策を忘れないようにしましょう。
そして、外に出るときは日傘や帽子などを忘れずに携帯し、こまめに水分補給できるようにペットボトルを持ち歩くことをおすすめします。
また、もしものときのために、経口補水液を持っておくようにすると安心です。最近は携行しやすいゼリー状のものも販売されているので試してみてください。
かくれ脱水ははっきりとした体調の変化が現れないことがあるので、サインを見逃してしまい重症化してしまうことがあります。今回紹介したチェックリストをこまめに確認して、疑わしいサインがある場合はこまめに水分補給をして周囲の環境を整える工夫をしましょう。持病のある人は病院に相談してもかまいません。
また、脱水症は熱中症の原因にもなります。どちらも予防方法は共通しているので、屋外・屋内に限らず、対策を怠らないようにしましょう。