記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/5 記事改定日: 2019/6/5
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
コーヒーを飲むとトイレに行きたくなるのは何故なのでしょうか?また、利尿作用を抑える方法はあるのでしょうか?
ここでは、カフェインの利尿作用の仕組みについて解説していきます。
カフェインが身体に及ぼす作用は、以下のようなものが挙げられます。
以上の作用により、カフェインを摂ると利尿作用が起こると考えられています。
腎臓は血液をろ過して不要な老廃物などを尿中に排出し、必要な栄養分の体内に戻す働きがあります。
カフェインの摂取により交感神経が刺激されると、腎臓の血管が拡張され、ろ過される血液量が増えます。その結果利尿作用が強まり、カフェインが完全に体外に排出されるまで、その効果は持続します。
カフェインの摂取で利尿作用が強まり、水分の排出量が摂取量を上回ると、脱水症になることがあります。また、尿と一緒に体内の電解質が多く排出されてしまうと、水だけ補給しただけでは回復できないこともあります。特に、熱中症や嘔吐・下痢などとタイミングが重なると、最悪の場合死に至るため注意が必要です。
その他、まれではありますが、カフェイン摂取量が多いと、下記のミネラルが不足する可能性があります。
カフェインには、鉄分の吸収を妨げる作用があるため、吸収されなかった鉄分が尿中に排出され、鉄分不足に陥ることがあります。特に、普段から貧血気味の人は注意が必要です。
鉄分と同様に、カフェインには、カルシウムの吸収を妨げる作用があるため、吸収されなかったカルシウムが尿中に排出され、骨粗鬆症になることがあります。
カフェインは一度体内に取り込んでしまうと、利尿作用を抑えることはできません。
このため、長時間のドライブや重要な会議・試験などトイレに行くにくい状況が予想されるときは、カフェインの摂取を控える必要があります。カフェインの効果は4~6時間は続きますので、そのような状況の6時間ほど前はカフェインを控えるとよいでしょう。
しかし、トイレが近くなるのが気になるからと言って水分摂取を極端に制限してしまうと脱水症や熱中症になるリスクが高くなりますので注意しましょう。
カフェインは、脳・血管・腎臓などに作用することにより、利尿作用が起こります。また、一度利尿作用が強まると、体内のカフェインが完全に排出されるまで、その効果が持続するため、トイレの回数が心配な人は、カフェインの含有量が少ない物を選んだり、コーヒーを飲む頻度を減らすようにしましょう。