記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/28 記事改定日: 2018/11/12
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
風邪をひいたことで、喉が痛くなったり、喉が渇くようになったりといった喉のトラブルに見舞われるケースは非常に多いです。今回はそんな風邪にまつわる喉のトラブルの、おすすめの対処法をご紹介していきます。
喉の痛みは、風邪の症状の代表的なもののひとつです。喉の粘膜に病原体が付くことで、炎症を起こして、赤みや腫れ、痛みがあらわれます。
しかし、寝込むほどの熱がないときには、普段と同じ生活を送るという人もいるでしょう。少しでも喉の痛みを和らげるには、喉を乾燥させず適度な湿度を保つことが大切です。具体的には、次のような方法を試してみましょう。
鼻うがいは、鼻の穴から生理食塩水を入れて、そのまま飲み込まないように口から吐き出すことで、鼻から喉にかけて洗う方法です。40〜42℃程度のお湯で作った生理食塩水(0.9%の濃度の塩水。人間の体液とほぼ同じ濃度)を鼻に流し込むことで、ツーンとした痛みを防ぐことができます。正しいやり方については耳鼻科の医師に細かく指導してもらいましょう
鼻うがいは、外出先で手軽に行うことは難しい方法ですし、やり方を覚えるのも手間がかかります。口に水分を含んで行う一般的なうがいも、口の中を湿らせスッキリさせる方法です。生理食塩水や、緑茶でうがいをするとさらにサッパリするでしょう。
マスクは周囲への感染予防だけではなく、口の中の湿度を保つことにもつながります。
飴をなめることも喉の湿度を保つために良いでしょう。お菓子売り場で販売されているのど飴だけではなく、医薬品や医薬部外品として販売されているのど飴もあります。
生の大根やしょうが、はちみつ、れんこん、ねぎ、レモン、シソ、緑茶や紅茶、ココアは喉に良いといわれている食品です。自炊だけではなく、外食時にも意識してみると良いでしょう。
喉の痛みは、体が病原体と闘っているために現れています。睡眠や休養、栄養バランスのとれた食事を心がけ、体調を整えましょう。
風邪でのどが痛い時には、軽症であれば漢方薬で改善することができます。
おすすめの漢方薬としては、喉の粘膜の血流を増加させる葛根湯や喉の炎症を抑える桔梗湯などが挙げられます。特に桔梗湯はその成分が多く配合されたトローチも販売していますので、乾燥して喉の痛みが増したときなどに舐めると効果的です。
その他にも、鼻炎症状を伴うときには小青竜湯、せきを伴うときには麦門冬湯、麻杏甘石湯などがおすすめです。
漢方薬は薬局やドラッグストアで購入することができ副作用もほとんどありませんので、喉の痛みがあるときに気軽に使用することができます。
しかし、効果には個人差もあり、喉の痛みは原因によっては抗生物質など市販されていない処方薬の服用が必要になることがありますので、早めに病院を受診するようにしましょう。
また、喉の痛みの原因によってはロキソニン®やイブ®など市販の鎮痛薬を服用すると思わぬ副作用を生じることがあります。自己判断での服用は控えるようにしましょう。
喉の渇きは、体の中の水分が減ったときや塩分を過剰にとったときなどに、脳が「水を補給しなければいけない」と感じて生じる感覚です。発熱をして汗をかいたり、下痢や嘔吐などによって脱水状態になっているときに、喉の渇きが生じることがあります。
また、服用している風邪薬の影響で喉が渇いているように感じることがあります。鼻水を止める成分にあたるベラドンナ総アルカロイドは涙腺や唾液腺のはたらきを抑えるため、唾液が少なくなり喉の乾きを引き起こすことがあります。
また、抗ヒスタミン剤も口の乾きを引き起こすことが知られています。これらは、喉が渇いているというよりも、口が乾いている状態です。この場合は、水を少し口に含むことで不快感が軽減するでしょう。
これらの症状は、別の薬を飲むことで改善されることもあります。医療機関やドラッグストアや薬局で、医師や薬剤師などの専門家に相談をして、症状に合った薬を選んでもらうようにしましょう。
風邪の症状としてみられる喉の痛みは不快な症状のひとつですが、喉は外界から入ってくるウイルスや細菌から体を守っている場所でもあります。痛みをやわらげるために、乾燥を防ぎ適度な湿度を保ちましょう。また、風邪薬によっては口の乾きを招く成分が含まれていることもあるので、医師や薬剤師など専門家に相談をして、症状に合った薬を服用することが大切です。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。
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