記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「風邪のときはお風呂に入ってはいけない」という話もあれば、「風邪でもお風呂に入ったほうがいい」という話もあります。果たしてどちらが正解なのでしょうか?入浴時の注意点や、入浴を控えたほうがいい場合についても解説します。
風邪をひいたら入浴しない方がいいというのは、一昔前までの話です。昭和30年代に内風呂が普及するまで、日本ではお風呂は母屋の外にある家庭がほとんどでした。また、家にお風呂がなく銭湯を利用する家庭も多かったため、せっかくお風呂で温まってもすぐに冷めてしまうような環境だったのです。もし風邪を引いた状態でお風呂に入ってしまうと、湯冷めして体調を悪化させてしまうでしょう。また、日本人は熱めの温度での全身浴を好むため、心臓や肺に負担がかかることも、風邪のときには入浴を避ける根拠となっていました。
ところが、今は「風邪をひいてもお風呂に入っても構わない」といわれています。これには、ほぼ全ての家庭に内風呂が普及し湯冷めの心配がなくなったことが影響しています。また、高熱がなく症状が軽いときやひき始めのときには、お風呂に入ることで体が温まり免疫力が高まります。特別な事情がなければ、湯冷めに注意して入浴する方が治りも早くなるでしょう。
風邪の状態によっては、お風呂に入らない方がいい場合もあります。以下のような場合にはお風呂に入るのはやめましょう。
このようなときに無理にお風呂に入ると、倒れてしまう危険性もあります。無理してお風呂に入るのはやめて、ゆっくり休むようにしましょう。もし、汗をかいたりして不快に感じるときには、温かいタオルで体を拭くだけでもさっぱりします。温タオルは、水に濡らしたタオルを電子レンジで1分温めると簡単に作れます。
風邪でお風呂に入るときには、湯船につかるようにしましょう。風邪をひいているから早めに上がろうと、シャワーで済ませてしまうと体を冷やしてしまいます。風邪のときこそ湯船につかってしっかり体を温めてください。その時のお湯の温度は40~41℃が良いでしょう。
また、上がってから体を冷やさないよう脱衣所は温めておきます。浴室と脱衣所は温度差がない方が体への負担は軽いでしょう。
お風呂から上がったら、速やかに水気を拭き取り服を着ることも大切です。せっかく温めた体が冷めないように気を付けましょう。そして、水分補給も忘れてはいけません。十分な水分補給は体の新陳代謝も活発にしてくれます。お風呂の前後にしっかり補給するようにしてください。
風邪をひいても症状が軽ければ、お風呂に入っても構いません。むしろ、お風呂に入って体を温めることで、免疫力が上がり早期回復につなげることが期待できます。湯冷めに注意して水分補給を心がけ、しっかりと体を温めてください。また、免疫力をあげるには休息も大切です。お風呂に入った後には早めに就寝すれば、風邪も早く治ることでしょう。