乳がん検診で再検査の結果が!これって「がん」ということ?

2018/7/4

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

乳がん検診の結果に再検査が必要と書かれていたら、とても不安になりますよね。
今回は検査結果に慌てないようあらかじめ知っておきたい、乳がん検診における「再検査」結果の意味合いと、実際の再検査の手順などについて、まとめてご紹介していきます。

乳がん検診の再検査って、がんの可能性があるということ?

乳がん検診の結果が「再検査」判定であっても、すなわち「乳がんである」と決まったわけではありません。

乳がんの検査結果には、以下の通りカテゴリー3~5までの段階があります。

乳がん検診結果における5つの段階

カテゴリー1 特に異常が見受けられない
カテゴリー2 良性ののう疱、石灰化、線維腺腫などがある
カテゴリー3 良性・悪性の判断がつかない石灰化、変異などが見られる
カテゴリー4 がんの疑いがある石灰化、細胞の変異などがある
カテゴリー5 がんの確率が高いと思われる石灰化、細胞の変異などがある

上記のうち、検診結果として「再検査」と通知されるのはカテゴリー3以上の人です。
なお、カテゴリー3以上の変異のうち、再検査をして実際にがんであると判定される確率はそれぞれ以下の通りです。

再検診と通知されるカテゴリー3以上の人の乳がん確率

カテゴリー3 5%程度
カテゴリー4 50%程度
カテゴリー5 95%程度

ステージ3で再検査を受けた人が実際に乳がんであった確率は、非常に低いことがわかります。乳がん検診の再検査は「がんである確率が低くても、その可能性を否定できないため」に、大事をとって行われることも非常に多いのです。

乳がん検診の再検査ではどんな検査をするの?

では実際に乳がん検診の再検査を受ける場合、具体的にどんな検査を受けるのでしょうか。

一般的には以下のような流れに沿って、通常の乳がん検診よりも精度の高い精密検査を受けることになります。

《1》まずは再度、超音波・マンモグラフィーの画像検査を受ける

はじめに、1回目の乳がん検診でも受けた超音波検査とマンモグラフィー検査をもう一度受けて画像診断を行い、1回目との違いを検証します。

この結果「乳がんの疑いなし」と判断されれば再検査は終了ですが、「乳がんの疑いあり」と判断された場合は、以下のより精密な検査に進むことになります。

《2》画像検査の所見によっては、細胞診・組織診を受ける

超音波検査・マンモグラフィー検査の結果「乳がんの疑いあり」と判断された場合は、通常の乳がん検診では行われない、細胞診・組織診を行います。

細胞診とは直径0.07mmほどの注射針をがんが疑われる個所に差し込み、細胞の一部を吸い上げて採取し、顕微鏡で悪性かどうかを調べる検査方法です。
対して組織診は、細胞診よりも太い針でより広範囲の細胞を採取して顕微鏡で調べる検査方法で、最も高い精度・確率でがん判定を行えます。

再検査の結果はどんなふうに出るの?

細胞診・組織診まで行った再検査の結果は、それぞれ以下のように出てきます。

細胞診の結果

Ⅰ~Ⅴまでの5段階で、細胞の状態からがんかどうかを判定します。

  1. クラスⅠ…正常な細胞
  2. クラスⅡ…ほぼ正常な細胞
  3. クラスⅢ…正常、がん細胞のどちらとも判定がつかない
  4. クラスⅣ…限りなくがんに近い悪性よりの細胞
  5. クラスⅤ…ほぼがんと思われる悪性の細胞

組織診の結果

良性・悪性・判定不能の3段階で細胞の状態を判定し、悪性の場合はがんのタイプなどまでわかるため、検査結果と一緒に治療計画に役立つ情報も入手できます。上記の通り、再検査を受けることで乳がんを早期に発見できる可能性は高いです。

また、乳がんは早期の発見・治療開始によって治る確率が高くなる病気です。再検査という響きからやみくもに不安になったり、怖がるのではなく、できるだけ早く再検査を受けに行く必要があると覚えておきましょう。

おわりに:再検査だからといって必ずしも乳がんとは限らない。通知がきたらすぐに検査へ

乳がん検診の結果が再検査でも乳がんとは限りません。また仮に乳がんであったとしても、早期の段階で乳がんが見つかるのは、ある意味幸運でもあります。通常の検診よりも精密な再検査は、高確率で乳がんを発見することができます。再検査の通知が来たときは、将来のためにもできるだけ早く医療機関に行って、検査を受けてください。

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