結核はどうなると入院になる?期間や費用はどれくらいかかるの?

2018/6/28 記事改定日: 2019/7/18
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

結核は咳や痰、発熱、血痰などの症状が現れる感染症です。結核は入院治療になることが多いのですが、どうなると入院が必要なのでしょうか。
この記事では、入院治療の期間や費用、入院中の生活について解説していきます。

結核で入院治療が必要になるのはどんなとき?

結核が発病後、体外に排菌(痰の塗抹検査で陽性の場合)し始めると周囲に感染させる恐れがあるため、入院の必要が出てきます

ただ、結核菌は紫外線に弱いという特徴があるため、日光に当たると数時間程度で菌は死滅します。そのため、結核患者がいた部屋でも、1日〜2日間ほど換気をすれば他の人も使用できます。
また、掃除や洗濯も通常通りよく、室内や衣類、食器類の消毒なども必要ありません。

発病していても排菌を伴わないのであれば、通院治療も可能です。

治療

結核菌の活動頻度はさまざまで、1日1回活動するものもあれば、2ヶ月に1回活動するものもあり、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら進行していきます。

結核に使用される薬は結核菌が活動しているときのみに効果が発揮され、薬が効かない結核菌も10万個~1千個に1つは存在するといわれています。
通常は3種~4種の薬(抗結核薬)を9ヶ月程度服用します。

現在、抗結核薬として認知されている薬は10種類以上あり、薬への耐性(抵抗性)を考慮して、2種類以上の薬を併用する方法が基本になっています。
最近の治療では、リファンピシンとイソニアジドの2種類の薬を軸とし、始めに4剤、続けて2~3剤を足していき、6ヶ月ほど使用するのが一般的です。

結核での入院期間ってどのくらいかかる?

結核患者の必要な入院期間は、周囲への感染の恐れがないと判断されるまでの約1~3ヶ月程度とされています。
ただ、退院してからも結核菌が体内で活動している期間(半年ほど)は、通院での服薬治療が必要になり、耐性菌や薬の副作用が強く出る場合は入院期間や治療期間が長引くこともあります。

咳や痰に排菌されていなければ入院せずに通勤・通学しながら通院治療を受けられますが、服薬期間が長いため、仕事や学校が忙しかったり転居などの機会をきっかけに薬の服用を忘れがちです。
通院治療を続けられるか不安な人は、保健所で行っている結核療養の支援に相談してみましょう。

結核の入院でかかる費用はどれくらいなの?

感染症法令では、結核指定医療機関で治療を受けた場合の医療費を、国や自治体が負担してくれる制度(公費負担制度)が定められているため、結核の治療費のほとんどは国や自治体が負担することになります。

ただし、世帯の所得税額、入院と外来通院の違いなどにより、自己負担が必要になる場合もあるので、詳細を知りたい人はお住まいの自治体に確認しましょう。

また、結核(潜在性結核感染症を含む)医療費の公費負担の開始日は、保健所が結核医療費公費負担申請書を受理した日からとなるので、病院で結核の診断をもらったら、当日中に医師に結核医療費公費負担申請書の診断欄を書いてもらい、早めに結核予防担当窓口に出すようにしてください。

入院中の生活は?面会はできるの?

結核を発病すると、原則的に結核病床に隔離入院することになります。入院中は投薬治療を行いますが、結核病床内であれば比較的自由に過ごすことができます。また、面会者がN95と呼ばれる空気感染を予防できる特殊なマスクを着用すれば結核病床内に立ち入ることができますが、通常は家族など限られた関係の人のみに許可されます。
退院は痰の検査で痰の中に結核菌が排出されていないことを確認して初めて許可が下されます。人によって退院までの期間は異なりますが、長い場合では半年ほどになることもありますので、入院中に退屈しないような本や雑誌、ゲームなどを持ち込むとよいでしょう。

おわりに:排菌し始めたら入院。費用は自治体が負担してくれる

結核の発病後、体外に排菌し始めると周囲に感染させる恐れがあるため、入院する必要があります。必要な入院期間は周囲への感染の恐れがないと判断されるまでの約1〜3ヶ月ほどになります。なお、基本的に結核治療にかかる医療費は国や自治体が負担してくれる公費負担制度があるため、費用がそこまで高額になることはありませんが、詳細を知りたい人はお住まいの自治体などで確認しましょう。

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