子どものデンタルフロスの必要性とケアするときのポイント

2025/10/16

記事監修医師

日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科

川俣 綾 先生

虫歯や歯周病を予防するためには、歯間と歯周ポケットをデンタルフロスでケアすることがおすすめです。これは、実は子どもにも当てはまります。しかし、子どもと大人では、口の大きさや歯の状態が違いますし、小さな子どもはひとりでケアはできないでしょう。この記事では、子どものデンタルフロスの必要性とケアするときのポイントについて解説していきます。

子どもにデンタルフロスは必要?

虫歯が発生しやすい場所は、歯と歯の隙間です。歯ブラシで歯をみがくと、歯の表面の汚れ・歯垢は除去できますが、歯間に詰まった汚れ・歯垢はなかなか取り除くことはできません。虫歯予防のためには、子どものうちから歯ブラシとデンタルフロスを使って歯みがきをすることをおすすめします。

始める時期について

一般的に、永久歯が生え始めると、歯と歯の隙間がつまりやすくなるといわれています。基本的には、この頃からデンタルフロスの使用が大切になってくると考えられています。ただし、乳歯は虫歯になりやすく、乳歯が生えている時期は口内全体が虫歯の原因菌が生息しやすい状態になっています。この状態を放置すると、永久歯も虫歯になりやすくなるといわれています。できれば、乳歯が生えている時期からデンタルフロスのケアを始めることをおすすめします。

一般的には、第二乳臼歯が生えた頃からデンタルフロスのケアを始めることが好ましいといわれています。これには、第一乳臼歯と第二乳臼歯との間に食べかす・歯垢が溜まりやすいことが関係していますが、始める時期については、かかりつけの歯科医に相談してみてください。

おすすめのデンタルフロスと使い方の注意点

デンタルフロスには、必要な長さの糸を切り取り、指に巻きつけて使う「ロール(糸巻き)タイプ」と、糸がホルダーについている「ホルダータイプ」があります。ロールタイプは使うときに少し技術が必要になるので、子どもに初めて使うときには、片手で簡単に使えるホルダータイプから使い始めることをおすすめします。

大人用のホルダータイプだと子どもには大きすぎるため、できれば子ども用を探してあげてください。10歳頃になると、子どもひとりでデンタルフロスができるようになると思います。そのときも、まずはホルダータイプのフロスで、ケアをしやすいところからチャレンジさせましょう。

使い方の注意点

大人と子どもでデンタルフロスの使い方が大きく変わることはありませんが、子どもの歯肉はやわらかいので、糸で傷つけないように十分注意してください。一度痛い思いをすると、デンタルフロスを嫌がるようになってしまいます。

おわりに:デンタルフロスは「子どものうちから」がおすすめ。使うときは力加減にご注意を

子どもにも虫歯・歯周病のリスクがあるため、予防のためにも、基本的にはデンタルフロスを習慣化することをおすすめします。小さな子どもは、まずは保護者が歯磨きの後にやってあげるようにしてください。なお、子どもの口や歯は小さく、歯肉はやわらかく傷つきやすいです。デンタルフロスでケアするときは、力加減に注意し、できれば子ども用のデンタルフロスを用意してあげましょう。

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