記事監修医師
日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科
川俣 綾 先生
2018/7/5
記事監修医師
日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科
川俣 綾 先生
歯と歯の間の歯垢を取り除いたり、歯の表面の汚れをとったりするのに欠かせないデンタルフロスですが、子供もデンタルフロスをしたほうがいいのでしょうか?使い方の注意点やおすすめのフロス、開始時期などを解説します。
虫歯が最も発生しやすいのは、歯と歯の隙間です。歯ブラシでは歯の表面の汚れは除去できますが、歯間に詰まった汚れや歯垢はなかなか取り除くことはできません。そのため、歯ブラシだけではなくデンタルフロスも使って、虫歯予防をしっかり行っておくことが重要です。
子供は6歳くらいになって永久歯に生え替わると、歯と歯の隙間がつまるようになります。つまり、この頃からは特にデンタルフロスの使用が重要になっていきます。
まずデンタルフロスには、必要な長さの糸を切り取り、指に巻きつけて使う「ロール(糸巻き)タイプ」と、糸がホルダーについている「ホルダータイプ」があります。ロールタイプは使うのにテクニックが必要なので、初めて使用するお子さんの場合は、片手で簡単に使えるホルダータイプの使用をおすすめします。
また、デンタルフロスには子供用サイズもあります。大人用だとサイズが大きく、子供の口には適していないため、ドラッグストアで子供用を探してみましょう。
子供のデンタルフロスの使い方は大人の歯での使用法と同じですが、子供の歯肉は柔らかいので、糸を深く入り込んで傷つけないように十分注意しましょう。一度痛い思いをすると、デンタルフロスを拒否するようになってしまいます。
乳歯で虫歯ができやすい子供は、口の中全体に虫歯の原因菌が潜んでいる可能性が高いので、永久歯も虫歯になりやすいです。そのため、できれば乳歯の段階からデンタルフロスのケアを始めることが望ましいです。
具体的なタイミングとしては、奥歯の手前に生える第二乳臼歯が生えた頃からデンタルフロスの使用を始めましょう。最初の奥歯である第一乳臼歯との間に、食べかすや歯垢が溜まりやすいからです。ただし、使用前にかかりつけの歯医者さんに相談し、正しい使い方をきちんと教えてもらうようにしてください。
なお、子供も10歳頃になると一人でデンタルフロスができるようになっていきます。そのときはホルダータイプのフロスを使って、まずは磨きやすいところからチャレンジさせてみてください。
大人同様、子供も虫歯や歯周病予防のためにデンタルフロスの習慣を身につけることが大切です。ただ、お子さんが小さいうちは自力でやるのは難しいので、まずは保護者の方が歯磨きの後にやってあげるようにしてください。子供の口や歯は小さいので、子供用のフロスを使い、適度な力加減で痛くないように配慮することも重要です。