痛みを伴う病気の症状について(その2)

2017/3/23

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

病気になると痛みが生じることが多いですが、ここで取り上げる病気はいずれも特に痛みが強いと言われているものです。痛みが強い病気としてここでは心臓発作、椎間板ヘルニア、がん、関節炎、偏頭痛を取り上げます。

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心臓発作(狭心症や心筋梗塞)

心臓発作になると胸の中央に痛みを感じます。この痛みは、重く、きつく、締め付けられるような感じと言われ、酷い時は倒れてしまう程です。その痛みはひどい胃痛のように感じることもあり、場合によっては痛みがあごや首、背中、腕などに及んでしまうこともあります(放散痛と言います)。

椎間板ヘルニア

10人中8人が、日常生活の中で背中の痛みに襲われることがあります。その痛みの原因の多くが椎間板ヘルニアです。捻挫やものを持ち上げたときの力が原因で、椎間板ヘルニアが起こることもあります。この症状が出ると背骨と背骨の間のクッションの役割を務めているゼリー状の椎間板のひとつが壊れて横に飛び出します。その結果として近くを走っている神経を圧迫します。

椎間板ヘルニアになった人の大半は腰に突然痛みを感じますが、横になると和らぐことが多いです。一方、振り返ったり、咳やくしゃみをすると痛みが悪化することがあります。背中の痛みの代わりに脚に痛みを感じる場合もありますし、その両方の症状が出ることもあります。

たいていの場合、痛みは数週間かけて徐々に良くなっていきます。痛みがひどい場合、鎮痛剤で和らげることもできます。

がん

がんを発症している人のほとんどは痛みを抱えています。この痛みは腫瘍が原因のものもあれば、化学療法や放射療法など治療に伴うものである場合もあります。

腫瘍が神経を圧迫している場合は、たとえ腫瘍が小さかったとしてもひどい痛みを生じることがありますし、大きな腫瘍だったとしても痛みが軽かったり、まったく痛まなかったりすることもあります。

がんによる痛みは大きく体性痛、内臓痛、神経障害性疼痛など原因によって分けられますが、その原因に応じて適切に薬剤を使用するなど対処を行うことで痛みを大きく和らげることができます。

偏頭痛

偏頭痛による痛みは非常に強く、日常生活に大きな支障をきたすとされます。

偏頭痛の症状が強い時は光などの刺激に対して過敏になる事が多いです。対処法としては頭痛が治まるまで、暗く、静かな刺激の少ない場所で寝ることです。

薬を服用すると偏頭痛が起こる頻度や症状を軽くすることができます。ただ過去に薬を服用したものの効果が得られなかった場合は、主治医に相談してみてください。

おわりに

いずれの症状も激しい痛みを伴うのはもちろん、その期間も比較的長期にわたるものが多いです。心臓発作の痛みが出た場合一刻も早い治療が必要なので、すぐに救急車を呼んでください。また、がんや偏頭痛の痛みと付き合うためには痛みに対して適切な治療薬を用いることが必要です。

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