C型肝炎の治療法にはどんなものがあるの?副作用はある?

2018/7/5

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「沈黙の臓器」といわれる肝臓がC型肝炎になっていたら、できるだけ早めの対処を心がけたいですよね。そこで今回は、C型肝炎の治療法の種類やそれぞれの効果、副作用の可能性などをご紹介します。

C型肝炎の治療法は?

治療の目的は、C型肝炎が肝硬変や肝がんへ進行するのを予防することです。C型肝炎を治療する方法は、主に以下の抗ウイルス療法と肝庇護(かんひご)療法の2通りあります。

抗ウイルス療法

抗ウイルス療法では、体内にあるウイルスを排除し、C型肝炎がそれ以上進行しないようにします。この治療法は、「インターフェロン」という注射薬を使ったインターフェロン療法と、インターフェロンを使わない、最近主流のインターフェロンフリー療法があります。

インターフェロンとは私たちの体内でつくられるタンパク質の一種で、ウイルスに感染したとき、ウイルスと闘うために生成される物質のひとつです。このインターフェロンによって、ウイルスの増殖を防ぐことができるといわれています。

インターフェロン療法

C型肝炎の場合、感染が長期間にわたって続くことが知られています。そのため、体内でウイルスに対抗するためにインターフェロンがつくられても、ウイルスを排除するためには不十分となることがあります。そこで、外からインターフェロンを取り込むことにより、ウイルスの排除を助けることができるといわれています。

またインターフェロンだけでは効果が得られない場合には、血液中にインターフェロンを残しやすくする、ペグ-インターフェロンも追加する場合があります。さらに場合によってはインターフェロンの効果を高めるリバビリンという飲み薬の併用を勧められることもあります。

インターフェロンフリー療法

ウイルスに直接はたらきかけてウイルスの増殖を抑制する「抗ウイルス薬(DAA)」を服用します。注射薬のインターフェロンを使用せずに、飲み薬のみの治療です。2014年以降は新しいタイプの新薬が登場し、これまでインターフェロン療法で効果がみられなかった人も、適切な治療をすることで95%以上は完治が可能となったとされています。また抗ウイルス薬での治療は副作用がほとんどないことも特徴で、3~6ヶ月間毎日服用を続けます。

どのような治療を行うかは、その人の年齢や既往歴などを考慮して決められます。また最も重要であるとされるのが、C型肝炎ウイルスの量や遺伝子の型です。特にインターフェロンフリー療法の場合には、ウイルスの量や型の違いによって、抗ウイルス薬の効果が異なる場合があります。自分に合った抗ウイルス薬を使うことで効果が高まり、反対に自分に合わない抗ウイルス薬を使った場合には、他の薬の効果がみられなくなる可能性が高くなるといわれています。しっかりと検査をした上で、自分に合った抗ウイルス薬を使うことが重要です。

肝庇護療法

他の病気などの理由から抗ウイルス療法による治療ができなかった場合や、副作用によって抗ウイルス薬を止めた場合などには、肝臓の炎症を抑制する肝庇護療法が行われます。注射薬や飲み薬の服用、また血液を体外に排出することで炎症の改善を図る治療などがあります。

ただしC型肝炎の進行を予防する目的の治療であるため、ウイルスを体内から排除することはできません。そのため、長期にわたって治療を続けていくことになります。薬の種類や飲み合わせなどによって副作用が現れる場合もあるため、市販薬の使用を含め、医師に相談の上で治療を進めていきましょう。

C型肝炎の治療薬に副作用はないの?

C型肝炎によるインターフェロン療法の場合、大量のインターフェロンを体内に投与します。そのため、身体が急激な変化に対応できずに、さまざまな症状が現れるといわれています。主な症状としては、以下のようなものが挙げられます。

インフルエンザ様症状

注射をした約1~2週間後に、発熱や倦怠感、また頭痛や関節痛など、インフルエンザを発症した際に現れるような症状がほとんどの人にみられます。治療を続けていくうちに軽快するといわれていますが、症状が強い場合には鎮痛剤などを服用することもあります。

消化器症状

治療開始後すぐに吐き気や腹痛、食欲不振などがみられることがあります。食欲がない場合には、食べられるものを口にすると良いでしょう。

皮膚症状

注射部位に痛みが生じたり、赤く腫れる場合があります。また身体の一部などにかゆみや発疹がみられることもあります。

脱毛

治療を開始してから約2ヶ月経つと、脱毛症状がみられることがあります。治療終了後は再度髪の毛が生え、大抵の場合は数ヶ月間で治療前の状態に戻るといわれています。

血小板や白血球の減少

治療開始後2~4週間、血小板や白血球が少なくなることがありますが、その後はあまり減少しないといわれています。もともと血小板や白血球が少ない人の場合は、他の病気に感染しないように注意が必要です。ただし、治療後は治療前の状態に戻ります。

インターフェロンは身体に現れるさまざまな症状の重症度によって、治療が中止される場合もあります。たとえば、糖尿病の悪化や甲状腺の異常などがこれにあたります。

また、まれに間質性肺炎の症状がみられる場合があります。間質性肺炎とは、呼吸で取り入れた酸素などが入る袋である肺胞と、それを仕切る壁である間質に炎症が起きた状態のことをいいます。このような状態になると、運動時の息切れや空咳などの症状がみられ、最悪の場合死に至る可能性もあります。間質性肺炎の症状や、その他、身体に異常がみられた場合には速やかに医師へ相談しましょう。

おわりに:C型肝炎は、自分に合った治療を!

C型肝炎は、その進行具合や個人差もありますが、適切な処置をすればほぼ完治するようになったといわれています。ただし、治療内容によってはさまざまな副作用がみられることもあります。必ず医師と相談の上、自分にとって最適な治療をするようにしましょう。

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