性器周辺が痒い…何の性病? ブツブツや白いカス、おりものの臭いなど併発する症状別に解説

2018/7/15

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

外陰部が痒い場合、カンジダやトリコモナス、クラミジアなどの性病の可能性が考えられます。今回はその痒みと併発する症状ごとに、可能性の高い性病は何なのか解説します。

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外陰部が痒い、白いカスのようなおりものや分泌物が出る

カンジダの可能性があります。カンジダはカンジダ属の真菌(カビの一種)によって起こる性病の一種ですが、もともと腟内や腸管などに保有していることの多い菌のため、特に女性は体調を崩したことがきっかけでカンジダ菌が異常増殖し、発症することがあります。

女性が発症すると、性器が赤く腫れて強い痒みを感じます。さらに、カッテージチーズ状のポロポロした白いカスのようなおりものが出るのも特徴です。
なお、男性はカンジダに感染している女性との性行為によって感染しますが、症状が出ないことが多いです。まれに性器の痒みや腫れ、白いカスがみられることがあります。

外陰部が痒い、(女性の場合)おりものが臭い

トリコモナスの可能性があります。トリコモナスはトリコモナス原虫という微生物の感染によって発症する性病の一種で、性行為以外にも下着やタオル、浴槽の共有などで感染することがあります。

トリコモナスに女性が感染すると、おりものの量が増え、性器に激しい痒みを感じます。その後、魚の腐敗臭のような臭いのする泡立ったおりものが出るようになります。
なお、男性は無症状のことが多いですが、軽い排尿痛や尿道からの膿が出ることがあります。

尿道が痒い、膿が出る、排尿痛、(女性の場合)おりものの増加

この場合、まずクラミジアの可能性があります。クラミジアはクラミジア・トラコマティスという病原菌が性器や直腸、喉などに感染して炎症を起こす性病の一種で、オーラルセックスでの感染が増加傾向にあります。
男女とも多くの人は感染しても無症状ですが、男性の場合は尿道の痒みや透明な膿、軽度の排尿痛、副睾丸の腫れなどが、女性の場合はおりものの増加や不正出血、軽い腹痛などが生じることがあります。

またクラミジア以外に、淋病でも上記の症状が出ることがあります。淋病は淋菌という病原菌が性器や直腸、喉などに感染して炎症を起こす性病の一種です。特に男性の場合、クラミジアよりも重い症状が出る傾向にあり、激しい排尿痛や尿道からの白い膿や痒みなどが現れます。

外陰部が痒い、小さなブツブツ

性器ヘルペスの可能性があります。性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスの1型か2型の感染によって起こる性病です。男性女性ともに、発症すると性器や肛門付近に痒みが現れ、その部分に小さなブツブツ(水疱)が生じるようになります。この水疱が破裂すると激しい痛みを感じ、排尿や歩行が困難になることもあります。

おわりに:デリケートゾーンの痒みの原因となる性病はさまざま。検査で原因の特定を

ご紹介したように、性器周辺の痒みを引き起こす性病にはさまざまな種類があり、併発する症状によって疑わしい性病は違ってきます。また、性病の種類によっては自覚症状がほとんどないケースもあるので、不特定な相手と性行為をした場合は、性病検査の習慣をつけることをおすすめします。

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