記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/13
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
慢性肝炎の大半を占める、C型肝炎を引き起こす「C型肝炎ウイルス」。このC型肝炎ウイルスには、どのように感染するのでしょうか?また、どんな人は感染の可能性があるのでしょうか?C型肝炎の原因や感染経路について解説していきます。
肝炎とは、肝臓に生じた炎症により組織が破壊されてしまう病気で、徐々に壊された部分が硬くなり、肝臓の機能が弱くなっていきます。しかし、肝臓は正常時の30%程度まで機能が低下しても、症状がほとんど表に現れないため、異常に気付かないことが多いといわれています。これが沈黙の臓器ともいわれる所以です。
そして、異常に気付かぬまま症状が続くと「慢性肝炎」となり、肝硬変や肝がんになる確率が高くなります。日本では、この慢性肝炎の原因疾患の約70%が、C型肝炎ウイルス(HCV)感染によるC型肝炎といわれています。
B型肝炎は血液や体液を通して感染するのに対し、C型肝炎は主に血液を通して感染するという違いがあります。なお、いずれも空気感染や経口感染の恐れはありません。
C型肝炎ウイルスは主に感染者の血液を介して感染するので、下記のような場合に注意する必要があります。
C型肝炎ウイルスは、母子感染や性交渉、体液などを介して感染する確率は低いのですが、一度感染すると症状が長期化し、慢性肝炎になりやすいため、注意が必要です。
現在の日本国内のC型肝炎ウイルス感染者の多くは、輸血や血液製剤、注射針などの使い回しが行われていた1992年以前の頃の感染者だとされています。近年の輸血や血液製剤は高度な検査による、入念なチェックが行われているため感染する恐れはほぼありませんが、1992年以前に輸血を行ったことのある人は一度検査を受けてみましょう。
現在、新たにC型肝炎ウイルスに感染する原因には以下のようなものが挙げられます。
以下の項目のいずれかに該当する場合はC型肝炎に感染している可能性があるので、お住まいの近くの医療機関や保健所などを受診して、一度検査を受けましょう。
C型肝炎は空気感染や経口感染の恐れはありませんが、主に血液を介して感染するため、感染者の血液が付着している注射器や輸血の使いまわしや、消毒が不十分な器具での刺青やピアスの穴あけ、感染者との日用品の共用などで感染する可能性があります。また、輸血や血液製剤、注射針などの使い回しが行われていた1992年以前に輸血を受けたことのある人も感染の恐れがあるため、一度医療機関や保健所で検査を受けましょう。