記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/4 記事改定日: 2019/5/7
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
夜まとまった時間きちんと寝ているつもりなのに、日中に我慢できないくらい眠いという人は、ただの不眠症ではなく「うつ」が原因かもしれません。
今回は強烈な眠気とうつの関係について、原因や症状の特徴などをまとめてご紹介していきます。
まずは、夜にきちんと寝ているつもりなのに眠いときに考えられる、4つの原因を見ていきましょう。
徹夜や過度な飲酒、夜更かしなどにより、翌日・翌々日に一時的な睡眠不足や疲労状態に陥り、日中に眠くなってしまう状態です。
特に眠る時間が不規則だったり、入眠前にアルコールを摂取してから眠るなどでこのような状態が長く続く場合は、少しずつ睡眠の質が悪化するケースもあります。
不規則な睡眠や夜更かし、就寝前のアルコールなどの一時的な不眠状態が長く続くことで習慣となり、慢性的な不眠状態になってしまうケースです。
慢性的な不眠状態になると夜の眠りが浅く十分な睡眠がとれていない可能性が高いので、日中眠い状態がずっと続くようになってしまいます。
規則正しい生活習慣をとっているのに、布団に入ってから30分以上眠れない、また睡眠中に何度も起きてしまうなどの症状がある場合は不眠症になっているかもしれません。
こうなると生活習慣だけでなく、本人が気づいていないようなストレスや不安などが原因で、うつ状態に起因する不眠状態になっている可能性があります。専門の医療機関での診察・治療を受けることをおすすめします。
夜間きちんと眠れている、熟睡感があると思っているのに日中も眠い場合は、不眠ではなく眠りすぎてしまう過眠症になっている可能性があります。
過眠症はストレスや不安など環境的要因の他、遺伝的な要因でも発症する病気の一種ですので、専門の医療機関で検査・治療を受けた方が良いでしょう。
実は、うつを発症する人の大半が、入眠障害や中途覚醒・早朝覚醒などの睡眠障害、そして日中の強い眠気の症状を訴えているといわれています。また不眠を訴えていた人がうつを発症することもあり、日中の眠気がうつの初期症状としてあらわれるケースも報告されています。
このように、うつと睡眠障害・不眠には強い因果関係があることが知られているため、日中眠いという症状は、うつが原因の不眠である可能性も高いといえるのです。
以下に、うつ病のタイプ別に睡眠に関してどのような症状が現れやすいのかをまとめてご紹介しますので、参考にしてください。
このタイプは自責の念が強く、入眠前に極端にネガティブなことを考えてしまって眠れない入眠障害、また夜中や早朝に起きてしまう中途覚醒・早期覚醒の症状が見られます。
早く寝ようとしても寝付けず熟睡できないため、特に朝方に調子が悪く、日中も慢性的に眠い状態が続くという特徴があります。
30代までの若者に多いいわゆる新型のうつで、入眠は速やかですが眠りが浅くて過眠傾向になりやすく、浅い眠りを長時間続けてしまいがちです。
睡眠時間は長くても熟睡できていないので慢性的に眠い状態が続き、集中力の欠如などを招いて日中の仕事に支障をきたすことも少なくありません。
ここからは、生活習慣由来の不眠症か、うつが起因の不眠症かを見分けるために知っておきたい、眠気・不眠以外のうつ病の症状について解説していきます。
眠気や不眠の症状があり、かつ上記の症状が複数当てはまる場合は、うつ病を発症している可能性が高いと考えられます。
うつが原因の不眠やそれに伴う眠気は市販の睡眠導入剤で改善することもあります。しかし、市販の睡眠導入剤は眠気を引き起こす薬が配合されたものであるため、睡眠の質やうつを根本的に改善する効果はありません。また、翌日まで眠気やだるさが引き続くことも多く、抑うつ気分を悪化させ、結果としてさらに不眠症状が強くなることもあります。
うつが原因と考えられるような不眠や眠気がある場合には自己判断で市販薬を使用せず、必ず専門医に相談してうつの治療と並行しながら不眠の治療も行っていくようにしましょう。
うつ病による不眠・眠気の可能性を感じたら、できるだけ早く心療内科・精神科などの医療機関を受診し、医師による診断・治療を受けてください。
眠気や不眠の原因は本人の生活習慣によるものだけでなく、ストレスや不安の蓄積によるうつが原因の可能性もあります。夜間よく眠れていない、夜中や早朝に起きてしまう、寝付けないなどの症状の他に気分の落ち込みもある場合は、うつの可能性が高いです。症状に心当たりがある場合は、できるだけ早く精神科・心療内科を受診し、医師に相談してくださいね。