記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
うつ病治療のために抗うつ剤を飲んでいて、頭痛に悩まされるようになった経験はありませんか?実は、抗うつ剤の飲み始めで頭痛を感じる人は少なくありません。
今回は抗うつ剤と頭痛の関係について、頭痛が出たときの対処法とあわせて解説していきます。
服用する抗うつ剤の種類によっては、服用によって吐き気や嘔吐などの消化器のトラブルや、頭痛などの副作用が起こるものもあります。
このため、うつ病の治療のために抗うつ剤を飲み始めたばかりの頃は、副作用の一種として頭痛に悩まされる人も少なくありません。
しかし、抗うつ剤による頭痛のほとんどは、身体に薬の成分を分解する酵素が少ないことによるものなので、服用を続けるうちに少しずつ軽くなり徐々に頭痛はしなくなります。
ただし、服用開始から数か月経っても頭痛の副作用がなくならない、または全く軽減されないという場合には、副作用が重症化する可能性も考えられます。
また、脳や頭部に別の重大な疾患・病気が隠れているリスクも予測されますので、すぐに病院に行って医師の診断を受けるようにしてください。
抗うつ剤が原因と思われる頭痛がひどいときに、市販の頭痛薬・解熱鎮痛剤を飲んでも効果はないうえ、むしろ頭痛がひどくなる可能性があります。
これは、頭痛薬・解熱鎮痛剤に含まれるカフェインが、頭痛の原因である抗うつ剤の作用を強める可能性があるためです。抗うつ剤と頭痛薬・解熱鎮痛剤に含まれる薬の成分(カフェイン)を必要以上に摂取してしまった結果、効果が強く出すぎて激しい頭痛や思わぬ副作用を招くこともあります。
抗うつ剤による頭痛軽減のために、独断で頭痛薬・解熱鎮痛剤を飲むのは危険です。頭痛がひどく、どうしても市販の薬を飲みたいという場合は、必ず事前に主治医または薬剤師に相談するようにしください。
処方される抗うつ剤の種類にもよりますが、抗うつ剤の副作用として頭痛が現れることは珍しくありません。しかし抗うつ剤による頭痛のほとんどは一時的なもので、継続して薬を服用すると身体が慣れて、徐々に軽減されていきます。もし、抗うつ剤による頭痛が耐えられないほどひどい場合でも、市販の頭痛薬や解熱鎮痛剤を飲むのは逆効果です。どうしても頭痛が辛いときは、まず主治医に相談して指示を仰ぎましょう。