C型肝炎とは ― ウイルス感染の原因や症状を解説!

2018/7/9

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

C型肝炎ウイルスの感染によって発症する「C型肝炎」とは、どんな病気なのでしょうか?感染原因や感染後の症状、感染リスクの高い人など、幅広い情報をお伝えしていきます。

C型肝炎ってどんな病気?

肝炎ウイルスにはA・B・C・D・E型がありますが、この中でC型肝炎ウイルスに感染して発症するのがC型肝炎です。慢性肝炎の70%程がこのC型肝炎にあたり、100人に1~2人の割合で感染者がいることから21世紀の国民病と呼ばれることもあります。

C型肝炎は初期の場合ほとんど症状が無く、長期間放置されることで肝臓の細胞が炎症を起こして破壊されていき、その結果として約70%が慢性肝炎へと移行してしまいます。また、肝がんの原因の65%ほどがC型肝炎であるともいわれています。

C型肝炎ウイルスの感染原因は?

C型肝炎は主に感染者の血液を介して感染します。昔は注射針の使いまわし、1992年以前の輸血、1994年以前のフィブリノゲン製剤、1988年以前の血液凝固因子製剤といったウイルスチェックが不十分な血液製剤の使用が感染の原因とされてきました。ただ、医療チェック体制が厳しい近年では、輸血や血液製剤による感染はほぼなくなっています。

現在でもありうる主な感染経路としては、十分に消毒をされていない機材を使用したピアスの穴開けや入れ墨、覚せい剤などの回し打ち、あるいは不衛生な状態での鍼治療が考えられます。また、性交渉や母子感染もC型肝炎ウイルスの感染原因となりますが、これらによる感染はごくまれとされています。

C型肝炎に感染すると、どんな症状がみられる?

肝臓は症状が現れにくいことが特徴で、重症であっても症状が現れる人は2~3割程度とされています。その際に現れる自覚症状は全身倦怠感、食欲不振、吐き気などであり、肝臓の症状とはすぐにわからないものです。
さらに、白目や皮膚が黄色味を帯びる黄疸や肝臓が腫れあがる肝腫大が出現することもあります。症状がさらに進行すると手掌紅斑や腹水、鼻血が出やすくなったり出血が止まりにくくなるといった症状が出現することもあります。

また、C型肝炎を治療せずに放置していると肝硬変や肝がんへと移行してしまいます。肝炎ウイルスに感染して放置すると60~80%の人が慢性肝炎へと移行し、30~40%の人が20年以内に肝硬変へと移行します。さらに年率約7%の頻度で肝がんを発症します。肝がんや肝硬変が末期になると肝不全となることもあります。

C型肝炎の検査を受けたほうがいいのはどんな人?

C型肝炎は進行するまで症状がほぼ出現しないため、検査によって発見されるケースが多いです。中でもC型肝炎の検査を受けることをすすめたいのは、1992年以前に輸血を受けた人や、長期に血液透析を受けている人、1994年以前のフィブリノゲン製剤、1988年以前の血液凝固因子製剤を投与された人ですまた、これらの製剤を投与されたかや輸血を受けたかは不明であっても、大きな手術や臓器移植を受けた人も検査をおすすめします。

このほかにも、薬物乱用者や刺青を入れている人、ボディーピアスをしていたり自分で不衛生な器具を用いてピアスをあけた経験のある人もC型肝炎の検査を受けることがすすめられます。さらに、過去に健康診断で肝機能検査の異常を指摘されているにもかかわらず、その後肝炎の検査を実施していない人も検査を受けるようにしてください。

おわりに:C型肝炎自覚症状が乏しいため、検査による早期発見が重要

肝臓は沈黙の臓器ともいわれ、症状が出現しにくい臓器です。C型肝炎もその一種であり、感染しても食欲不振や倦怠感といった症状しか見られず、気づいたころには進行して肝硬変や肝がんへ移行してしまう可能性が非常に高くなります。

そのため、ウイルスチェックが不十分な血液製剤の使用や注射針の使いまわしをしたことが分かっている人、不衛生な器具を用いてピアスを使用した場合などには検査を受けておきましょう。また、ごくまれではありますが母子感染や性交渉でも感染する可能性があります。C型肝炎に感染している人と性交渉をしたり、母親がC型肝炎という人も一度検査を受けることをおすすめします。

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