不妊の原因となる性病とは? 男性も女性も要注意!

2018/7/10

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

性病(現在では「性感染症(STI、 STD)」と呼ぶのが一般的です)に感染すると、性器付近の不快症状などを引き起こすだけでなく、不妊症の原因となることをご存知ですか?今回は男性・女性ともに不妊症の原因となりうる主な性病についてご紹介していきます。

不妊の原因となる性病:①クラミジア

クラミジアとは、クラミジア・トラコマティスという病原菌が性器や喉に感染することで起こる性病の一種です。日本国内では最も一般的な性病で、1回の性行為での感染率はおよそ30〜50%ともいわれています。

クラミジアは、セックスやアナルセックスなどによって、精液や腟分泌液などの粘膜にいた病原菌がパートナーの粘膜に接触することで感染しますが、近年ではオーラルセックスによる咽頭への感染事例が増加傾向にあります。

クラミジアに感染してから1〜3週間ほど経つと、男性の場合は尿道のかゆみや軽度の排尿痛、尿道からの透明〜乳白色の膿が、女性の場合はおりものの増加や性交痛、下腹部痛などの症状が起こることがあります。

ただ、男女とも半数以上の人は無症状ともいわれており、感染に気付かないまま放置していると、男性の場合は前立腺炎や精巣上体炎、男性不妊、女性の場合は卵管炎や子宮外妊娠、そして卵管炎の癒着が原因の不妊症に発展する恐れがあります。

不妊の原因となる性病:②淋病

淋病とは、淋菌が性器や喉に感染したことで起こる性病の一種です。セックスやアナルセックス、オーラルセックスなどの性行為によって感染することがあり、1回の性行為での感染率は20〜50%と高い数値になっています。

淋菌に感染してから2〜7日ほど経つと、男性の場合は激しい排尿痛や尿道からの白い膿やかゆみ、副睾丸の腫れといった症状が現れますが、女性の腟や咽頭感染の場合は無症状のことが多いです。

この淋病を未治療のまま放置していると、男性の場合は前立腺炎や精巣上体炎、無精子症、女性の場合は卵管炎や子宮内膜症、子宮外妊娠、卵管炎の癒着が原因の不妊症に発展する恐れがあります。

不妊の原因となる性病:③ウレアプラズマ・マイコプラズマ

ウレアプラズマ・マイコプラズマはともに細菌の一種で、非クラミジア淋菌性尿道炎の原因菌といわれるものです。あまり認知度は高くありませんが、オーラルセックスを含む性行為によって感染することがあり、感染すると軽い尿道炎のような症状やおりものの変化などが出ることがあります。しかし、多くの場合は無症状です。

このウレアプラズマやマイコプラズマを放置していると、男性の場合は前立腺炎や精巣上体炎、男性不妊、女性の場合は子宮頚部の炎症や骨盤内感染、腹膜炎、不妊症に発展する恐れがあります。

不妊の原因となる性病:④トリコモナス

トリコモナスとは、トリコモナス原虫の感染による性病の一種です。性行為以外にも、下着やタオルの共有や浴槽で感染することがあります。

トリコモナス原虫に感染すると、男性の場合は軽い排尿痛や尿道からの膿、女性の場合は悪臭の強いおりものや性器周辺のかゆみなどが引き起こされます。

トリコモナスを未治療のまま放置していると、男性の場合は前立腺や精嚢に原虫が寄生し、尿道炎や前立腺炎に、女性の場合は子宮や卵管に原虫が侵入することで不妊症に発展する恐れがあります。

おわりに:性病検査で不妊症になる前に治療を

クラミジアや淋病、トリコモナスなど、不妊症の原因となる性病にはさまざまなものがあります。特に自覚症状の乏しい性病の場合は、知らない間に放置してしまい、卵管炎や精巣上体炎など不妊に発展する疾患を引き起こす恐れがあります。定期的な性病検査を受ける習慣をつけることも大切です。

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