閉経の時期の平均は? 閉経してから妊娠する可能性ってあるの?

2018/7/9

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

卵巣の機能が停止し、生理が永久に来なくなる「閉経」。この閉経の時期は、平均何歳くらいで訪れるものなのでしょうか?また、閉経の時期に妊娠する可能性はあるのでしょうか?以降で解説していきます。

閉経の時期、平均は何歳ごろ?

日本人女性の閉経時期の平均は、50歳前後です。実は閉経に向けての体の変化は30代後半から始まっており、このころから卵巣の加齢が進み始め、妊娠や生理(医学的には月経というのが一般的です)などの機能に影響するエストロゲンという女性ホルモンの分泌量が減り始めます。

そして45歳前後になると、このエストロゲンの分泌量が急激に減少することで、ホルモンバランスが乱れて生理周期が不規則になったり、更年期障害の症状が現れるようになります。

ただし、閉経の時期には個人差があります。例えば喫煙者の女性は非喫煙者の女性より閉経になるのが早いとされており、また卵巣の手術を受けた人は卵巣機能が低下しやすいことから、閉経が早まる場合があります。

30代で閉経することってある?

近年では20〜30代の若い年齢の女性が、卵巣機能の異常によって閉経してしまう「早発閉経」になるケースが増えています。この早発閉経の原因は明確にはわかっていませんが、ストレスや過度なダイエット、遺伝、免疫異常などが関係していると考えられています。

閉経の時期に妊娠する可能性はある?

更年期の時期に差し掛かると、徐々に生理周期が乱れ、経血やおりものの量も減っていきます。そして40代になると、たとえ生理は来ていても、卵巣の中にある卵子のもととなる卵胞数が激減します。もちろん、閉経前であっても排卵があれば妊娠の可能性はゼロではありませんが、一般的に閉経前後の時期に妊娠・出産する確率は非常に低いです。

また、完全に閉経した場合には妊娠する可能性はありません。WHO(世界保健機関)にて閉経は「卵子を含む球状となっている細胞の集合体である卵胞が、卵巣から失われて月経が永久に停止した状態にあること」と定義されており、最終月経から1年以上生理が来ていない場合に閉経とみなされます。つまり、本当に閉経しているのであれば、卵胞がなくなっているため妊娠する可能性はないのです。

おわりに:閉経の時期には個人差が。若い年齢での閉経にも要注意

閉経の平均時期は50歳前後ですが、これには個人差があり、近年では30代の若い女性でも閉経してしまうケースが増えてきています。なお、更年期になると生理がこない時期が続いたり、吐き気や不正出血など妊娠の前兆と似た症状が現れますが、基本的には閉経の時期に妊娠する可能性は非常に少ないです。症状がひどい場合や、閉経トラブルが見られる場合には、婦人科で専門医に報告・相談されることをおすすめします。

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