記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「1日中、鼻がむずむずして辛い…」こんな症状が出たら、何をするにも集中できなくなりますよね。今回はアレルギー性鼻炎を治すための、市販薬選びのポイントなどをご紹介します。
アレルギー性鼻炎とは、空気中のハウスダストやダニ、花粉などといったアレルゲンを鼻の粘膜から体内に取り込むことで起きるアレルギー反応のことをいい、主にヒスタミンという物質がアレルギー症状を引き起こすといわれています。アレルギー性鼻炎の症状には、主に以下のようなものが考えられます。
また、市販薬を購入する際は主に以下の種類や成分などに注意しましょう。
ヒスタミンなどのアレルギー症状を招く物質が発生するのを抑制し、ヒスタミンなどの発生量を抑えることで症状を和らげるといわれています。主にクロモグリク酸ナトリウムなどが配合され、服用後に眠くならないことが特徴です。ただし、約2週間後に効果が現れるなど、効きが少し遅い傾向にあります。
抗ヒスタミン剤はヒスタミンに直接働きかけ、症状を和らげるといわれています。主にジフェニルピラリン塩酸塩やケトチフェンフマル酸塩などが配合され、即効性がある一方で、眠くなりやすいことが特徴です。ただし、今発売されている第一世代と第二世代のうち、第二世代は眠くなりにくいといわれています。症状が軽いときからの服用が勧められており、症状の程度を軽くしたり、症状の終了を早める効果が期待できます。
鼻粘膜の血管を収縮させることで、鼻づまりを和らげるといわれています。主にナファゾリン塩酸塩などが配合されています。ただし、長期にわたって使用すると症状を悪化させることなどがあるため、使用の際は注意しましょう。
鼻粘膜の浮腫を抑制し、鼻づまりや鼻水などに効果的といわれています。主にグリチルリチン酸二カリウムなどが配合され、副作用がほとんどないことが特徴です。内服薬と併用もできるため、ひどい症状に悩まされている方には併用することも選択肢のひとつでしょう。
アレルギー性鼻炎だと思って薬などを服用していても、症状が改善しない場合もあります。その代表的なものに「副鼻腔炎」が挙げられます。
鼻の奥には副鼻腔と呼ばれる4つの空洞があります。副鼻腔炎は、この部位の粘膜が細菌やウイルスなどに感染することで炎症がみられ、膿が溜まることによって引き起こされます。また、膿の粘液には炎症の原因となる物質が含まれているため、膿が溜まっていくことで余計に炎症を悪化させてしまいます。このように副鼻腔炎が長引いたものを「蓄膿症(慢性副鼻腔炎)」といいいます。
蓄膿症の症状には、主に以下のようなものがあります。
アレルギー性鼻炎は透明のさらっとした鼻水が特徴ですが、蓄膿症になると粘り気のある鼻水がよくみられるといわれています。また鼻腔など鼻の奥の部分の粘膜が腫れた場合などは、空気の通り道が狭くなることで鼻づまりが引き起こされます。他にも、慢性的に鼻水が鼻腔に溜まることなども鼻づまりの原因のひとつとされています。
匂いを感じ取る嗅裂部という箇所の炎症が長引いたり、粘膜が腫れたりすると嗅覚に障害が起こる場合があります。早期に治療をすることで改善が期待できます。
急性副鼻腔炎の場合によくみられる症状のひとつです。額の頭痛や両目の間、また頬などに痛みが生じることもあります。また風邪を引いた際に額の痛みがある場合には、副鼻腔炎が疑われるといわれています。目の近くの副鼻腔の炎症がひどい場合には、視力障害などを引き起こすこともあるといわれています。
アレルギー性鼻炎が鼻から鼻水が出るのと比較して、蓄膿症の場合には鼻水が喉の方に流れ、気管支炎などの原因になることがあります。
市販薬で様子を見ても症状の改善がみられない場合には、蓄膿症である可能性もあります。治療が遅れたり、症状が悪化すると嗅覚障害や視覚障害などを引き起こす場合もあります。早めに病院を受診し、適切な処置をしてもらうようにしましょう。
アレルギー性鼻炎の場合、原因に合った市販薬を服用することで改善がみられることもあります。ただし、効果がみられない場合や症状がさらに悪化する場合などには、蓄膿症など他の病気である可能性も考えられます。早めに病院を受診して治療にあたるようにしましょう。