記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
近年では国民の2人に1人が罹患するともいわれ、誰でも発症し得る身近で恐ろしい病気として広く認知されているがん。発症する部位によっても現れる症状は異なりますが、がんの初期症状について知っている人は少ないのではないでしょうか。
今回はがんの症状について、初期と進行してからに分けてご紹介します。
がんは悪性の細胞が集まってかたまり、腫瘍となったものです。このためがんは発生した当初の「ごく初期」ではまだ小さな悪性細胞のかたまりでしかなく、特に自覚するような症状を引き起こすものではありません。
時間の経過とともに悪性細胞が増殖・成長すると、腫瘍そのものが周辺の臓器や組織を圧迫するようになるため、そこで初めて自覚症状が現れるようになります。
また、一部のがんは特定の物質を分泌したり、免疫反応を引き起こすこともあり、がんが発生しているのとは別の部位に症状が出てくるケースもあります。
実際の症状の出方はがんができる臓器・位置によっても変わってきますが、まず現れやすいのはがん周辺からの「不快感・痛み」と「出血」です。
痛みはかなりがんが進行してからでないと感じない場合もありますが、早期でもたとえば脳腫瘍では頭痛が、頚頭部・食道がんでは食事で痛みを感じるようになります。
また、がん細胞の血管は脆く破れやすいため、早期でも出血は起こりやすいです。ただし、基本的には体内でのみ微量の出血が起こるため、検査でしか発見できなかったり、かなり進行してから発見されるケースも少なくありません。
さらに、がんの進行に伴って症状の出る部位が全身に及び、「体重の減少と疲労感」「リンパ節の腫れ」「呼吸器官の症状」も出てくるようになります。
リンパ節の腫れと呼吸器の症状は、がん細胞の増殖が進んで腫瘍が大きくなり、リンパ節への転移や呼吸器周辺への圧迫が起こることで生じます。
なお体重の減少と疲労感は、がん患者が自覚しやすい代表的な症状で、たくさん食べているのに痩せていく、急に食欲が減退するなどの症状が見られるようになります。
前項で紹介した症状以外にも、以下のような症状がある場合はがんの初期症状である可能性があります。
1つでも当てはまり、気になることがあるなら、できるだけ早く最寄りの病院で診てもらってくださいね。
がんはもともと小さな悪性細胞のかたまりに過ぎないため、ごく初期では自覚症状がある人はほとんどいません。ちょっとした違和感や痛み、貧血などが初期症状で現れても、その兆候に気づいて早期発見できる人はわずかです。
がんの種類によっても初期症状の出方は異なりますが、毎日自分の体調に気を配り、ちょっとした変化を見逃さないことが早期発見のカギになります。この記事を参考に、自分の身体を観察してみましょう。